キャリアデザイン研究
Online ISSN : 2758-3473
Print ISSN : 1880-2753
歯科衛生士の就業継続
─専門性とステレオタイプに着目した質的データ分析─
余合 淳相宮 芳美
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2024 年 20 巻 p. 33-47

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抄録

本研究では歯科衛生士の就業継続の要因を、質的調査を通じて明らかにした。歯科衛生士の大半は女性であり、結婚や出産、育児を理由とした退職の多い職業である。女性活躍推進やその社会的背景、歯科衛生士の業務内容や役割、そして専門性の観点から先行研究のレビューを行った。質的データを用いたSCAT分析の結果、長期的な就業継続を難しくする2つの要因が明らかになった。第一に、歯科衛生士という職業の準専門性や性別に関するステレオタイプが専門性の修得を阻害している。第二に、ライフイベントをきっかけに離職し、その後も仕事と家庭の葛藤を回避できる家庭優先の働き方を選択しやすい。結果として、労働条件を優先することで専門性を活かす機会が減り、長期的な就業継続が困難となりやすい。以上の発見を通じて、歯科衛生士の専門性を阻害しない就業環境の整備や、歯科衛生士業務に対するステレオタイプの見直しが必要である点が示唆された。

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© 2024 日本キャリアデザイン学会
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