2024 年 20 巻 p. 63-75
本研究では、職場内でのフィードバック探索行動が職務能力の伸長に与える影響過程として、経験の振り返りを媒介するという仮説モデルを再検証すること、さらに、媒介分析の各変数間の関連の強さは、動機によってその効果が調整される可能性について検証することを目的とする。WEBアンケートを実施し、4企業の役職のない正規の成員476名から回答を得た。調査項目は、フィードバック探索行動、フィードバック探索行動を求める動機、経験の振り返り、職務能力の伸長である。本研究の結果から、フィードバック探索行動は、職務能力の伸長を有意に説明するだけでなく、経験の振り返りを部分媒介していることが再確認できた。さらに、この影響過程は、フィードバック探索行動を行う動機の内容ではなく、動機の高さによって異なり、自ら積極的にフィードバックを求める行動は、経験の振り返りに結び付きやすく、結果として職務能力の伸長に結びついていると示唆された。