本研究は、大学生が「社会」をどのように捉えているかに着目し、その捉え方と就職活動の結果との関係を2時点の縦断データで検討した。2022年11月~12月の第1回調査(1,769名)と、翌年5月~6月の第2回調査(408名)のデータについて非計量的多次元尺度構成法、共起ネットワークおよびカイ二乗検定を行った。その結果、社会を肯定的に捉える学生ほど内定獲得率が高い傾向が示され、性別や内定の有無に応じて表現の特徴が異なることも確認された。先行研究では、「社会を肯定的に捉えるからこそ正規雇用や内定獲得につながったのか、それとも正規雇用や内定獲得による安心感が社会を肯定的に捉える要因となったのか」が不明確だったが、本研究では縦断データを用いることで、社会を肯定的に捉える傾向が内定獲得に寄与するという可能性を補強した。本研究は、大学教育やキャリア支援のあり方を検討する上で重要な示唆を与える。