抄録
2003年3月にPRTRデータが初めて公表され、適切な環境管理とともに、わが国における社会文化的特性に基づくリスクコミュニケーションの促進が期待されている。そのため、データを管理する地方自治体や、発生源者である事業者がデータの活用に対する実態や今後の意向を把握することは重要であると考えられる。そこで、本研究では、全国の都道府県と政令指定都市、並びに東京都内の事業所を対象に、質問紙調査を実施し、PRTRデータを用いた情報提供やコミュニケーションの状況や今後の意向を分析した。その結果、両主体とも情報提供は進みつつあるものの、その活用方法に関しては模索している傾向がみられる。また、コミュニケーションの促進のために互いの主体に期待する内容に差異がみられた。