神奈川県湘南海岸の砂浜を対象として、植生調査と土壌及び微地形などの立地要因調査を行った。二次元指標種分析(TWINSPAN)及び除歪対応分析(DCA)による解析の結果、対象地の植生は砂防柵の有無によって大きく異なることがわかった。砂防柵内では出現種数が増加するものの、帰化植物の侵入が確認された。また砂防柵設置による飛塩や飛砂の減少によるNa+の減少やNO3-の増加などによって、土壌の化学性が変化し、それに伴うと考えられる植生の変化が認められた。今後は、砂防の観点だけでなく海浜植生を考慮にいれた、砂防柵の設置及び管理を行っていく必要がある。