主催: 一般社団法人環境情報科学センター
p. 255-260
有害大気汚染物質の一つであるニッケルの自主管理による費用対効果を明らかにすることを目的に,2002年度のPRTR排出量データに加えて,一般廃棄物,下水汚泥の焼却に伴う排出,石油・石炭燃焼に伴うニッケル排出量を国内およびニッケルの高濃度地域で推定した。そして,既存の自主管理対策に加えて,フェロニッケル製錬所,製鉄所と火力発電所を対象にした排出量削減対策のシナリオを設定し,各対策の費用効果分析を行った。その結果,フェロニッケル製錬と石油・石炭燃焼がニッケルの主要発生源であること,フェロニッケル製錬所における対策の費用対効果が地域でも高いことが明らかになった。