抄録
近年普及する在来種による都市緑化の推進においては,緑化地となる都市域の住民に対し,緑化植物の主な出自元(本報では里山域)の存在を意識させ,その保全の重要性を啓発することも必要である。このような背景のもと,都市域の高校生13 名を対象に,都市域と緑化植物の出自元とを連動させた交流プログラムを試みた。具体的には,在来種緑化に関する座学と緑化ユニットの製作体験,利用植物の苗木出自元での交流体験,さらに交流体験後に緑化植物や出自元への意識変化の評価,を行った。アンケート結果などから,在来種緑化への理解や参加意欲が深まり,また緑化ユニットを通して現地の文化や景観等を想起する高校生もいたことから出自元との繋がり感を得る事ができたといえる。