抄録
途上国への効果的・効率的な適応策支援のあり方を探るため,気候変動に対して脆弱なベトナムの事例を基に,適応策支援のための資金供与制度(地球環境ファシリティーと二国間政府開発援助による支援)の効果・パフォーマンスを分析した。ベトナムにおいては,二国間政府開発援助が国家・省レベルのアクターに資金供与する制度が他の制度に比べてより効果的でパフォーマンスが高いことが明らかになった。ベトナムの適応策のニーズ,高い資金調達能力・適応実施能力,中央集権体制でトップダウン型のガバナンス・システム,二国間援助機関との強い連携が結果に影響を与えている可能性が示された。