抄録
本論では、サステイナビリティ学の研究や教育に資する専門家間にある視点の差異を発生させる要因を実証的に把握し、これに基づいた協働の手順について検討した。第一に、専門家が「問題」と捉えている事柄は、問題解決の側面からは「現象」「方策」「手法」「枠組」に類型化されたものの、「副作用」「理解」「メタ」「原理」といった類型も併せて抽出された。第二に、専門家間にある視点の差異をもたらす因子として、「定義」「粒度」「対象」「方向」「フレーム」「認識」の六類型を抽出した。第三に、これらの類型に基づく相違点の明示方法を検討し、明示プロセスを担保する協働の手順を提案した。