抄録
埼玉県内の自治体を対象に家庭から排出された廃蛍光管の収集状況を調査した。調査協力の得られたA市において廃蛍光管の種別分析を行い,同結果をもとにA市を含む6自治体における廃蛍光管由来の水銀回収率を積み上げ法で推計した。水銀回収率は5.3%~96.3%と自治体間で大きな差があることがわかった。その要因を収集方式,分別区分,収集日および収集容器の有無から比較・考察したところ,拠点回収方式で収集している自治体の値が高く,拠点回収方式を採用していない自治体でも廃蛍光管の分別区分に該当するごみの単独収集日を設けている場合および廃蛍光管の収集容器を設置している場合は水銀回収率が高くなる傾向にあることが示唆された。