抄録
モデルエコシステムを用いて非放射性Csの生態影響評価試験(Cold Run)を行った。Gnotobiotic 型マイクロコズムでは,Csのm-NOEC(マイクロコズム無影響濃度)は1mg・l-1未満であり(0.5~1mg・l-1 の範囲に存在),1mg・l-1添加系では系の転移が生じていると評価された。Stress selected 型マイクロコズムでは,Cs 1mg・l-1添加系では対照系(非添加系)に比べて活性が4割程度低下していることが示された。また,既往のγ線照射実験との比較の結果,マイクロコズム微生物生態系システムに及ぼす影響は,放射線照射(Hot Run)と金属負荷(Cold Run)とのm-NOECで10倍程度の差があることが示された。