モンゴル国では首都ウランバートル(UB)への人口集中が進み,都市域の拡大をはじめとする都市問題が喫緊の課題となっている。本研究では,UB への人口集中プロセスの解明を目的とし,2005-2011 年の人口移動データならびに各種統計データを用いて移動選択指数の算出・重回帰分析を実施した。 移動選好指数からは期待値を上回るUB への人口移動が恒常的にみられることを明らかにし,重回帰分析からはUB への移住が賃金と正の関係を、また失業者数とUB への距離が負の関係を有することが明らかになった。また,2009~2010 年に発生したゾドと呼ばれる自然災害が発生した時期には家畜の高死亡数も影響を与えていることが示唆された。