主催: 一般社団法人環境情報科学センター
p. 129-134
中国吉林省の朝鮮族村落では、1981 年の「吉林省東部山間部の生産と建設の促進に関する決定」により、集体林以外からの薪材採集が禁じられ、琿春市では伝統的な薪材利用システムが変わった。本研究は朝鮮族村落の薪材利用を再び満足するために、薪材利用の現状と集体林の現在の役割を解明することを目的とした。薪材利用の現状に関する聞き取りとアンケート調査、薪材採集の場所に関する参与観察、および利用可能な集体林に関するマッピングの分析を行った結果、労働人口の不足、モンゴリナラの利用傾向、近隣の森林からの薪材採集、国有林の保全、の四つの要因をふまえ、集体林の中に公共的な薪材林を新たに設置する必要性が考察された。