抄録
本研究はインドネシアスラウェシ島山岳地トラジャ地域農村において実施した生業項目に関する半構造型インタビュー調査とそのネットワーク分析から,過去40 年間の生業構造変化について分析する。各時期における生業項目の地域内の位置づけについてネットワーク中心性指標によって算出し,それぞれの時系列変化をとらえた。固有ベクトル中心性指標の時系列変化過程のt検定の結果から, 1979-1980, 1999-2000, 2009-2010の3時期に有意な変化が検出され,近年の多生業化傾向が示された。トレンド変化点との重複から道路や水利造成等の土地改変との関係性が示された。