主催: 一般社団法人環境情報科学センター
p. 13-18
本研究は,気候変動の影響を受けるバングラデシュを対象とし,米価変動を緩和するための政策コストを推計する目的で,政策モデルを開発する。将来予測の結果,政府調達を利用した価格支持政策と,配給を利用した補助金政策が,それぞれ極端な価格の下落と上昇を緩和することが示された。さらにそれらの政策を統合した場合,1%の価格変動の削減には,21 年間で0.78 億ドルの追加的政策コストが必要であるとされた。またこの政策を実現するには,300 万トンの備蓄能力が必要になることも示された。本研究で示された政策のコストと効果は,気候変動下における食料政策立案で,基礎的なデータとしての活用が期待される。