主催: 一般社団法人環境情報科学センター
p. 177-182
2015 年4 月に発生したネパール・ゴルカ地震では,学校教育機関においても甚大な被害が生じ,5,000 校を超す学校建物の倒壊・損傷のほか,200 名以上の生徒の人命が失われている。本研究では,同災害における被災と社会・地域構造の関連について,現地調査およびGIS による地域統計分析により検討を行い,被災地の学校防災教育における現状と課題を明らかにすることを目的とする。同国では,発災後,学校教育機関を通じた児童・生徒への心のケア(Psychological Counseling)が実施されたほか,学校施設再建に向け,教室設計指針の策定も行われているが,これまで,NGO 等が中心となって実施してきた防災教育の「誤認」による死傷者の発生や,多民族・多言語社会を抱え,伝統的なカーストや,識字率の性差の存在などが復興推進の課題となっている。