主催: 一般社団法人環境情報科学センター
p. 207-212
ベトナム社会主義共和国では,ベトナム戦争後に行われた少数民族の定耕定住政策や森林政策によって土地利用形態が大きく変容しており,中部山岳地域では多くの少数民族農村においてアカシアの造林業が拡大している。本研究では,世帯単位での聞き取り調査と,各世帯が利用権を持つ林業地の立地条件に関するデータを用いた空間分析によって,各林業地の地理的条件に起因する材搬出難易性の違いを示した。材搬出の難易性は仲介業者の買い取り価格に反映されることから,得られる収入にも差異が生じることが想定された。林業地の適切な評価に基づく住民支援のあり方の重要性を指摘した。