近年,寒冷地での住宅向け地域熱供給システムへの関心が高まっている。しかし,わが国には高度成長期に整備され,今日までに衰退した当該システムが複数存在している。そのため筆者らは事業を廃止した道営北広島団地の事例を中心に,今後の普及に関わる課題を抽出した。その結果,エリア内での接続義務のないこと,公共的な施設での不採用,地域熱供給に対する住民の理解の欠如の3 つの問題が明らかになった。また,北広島の衰退には重油高騰も関わっていた。当該システムの再構築と普及のためには,上記の課題を克服し,併せて再生可能エネルギー等の地産燃料を使用する必要があると考察する。これは地域振興に効果をもたらすことにも繋がる。