主催: 一般社団法人環境情報科学センター
p. 49-54
夏季の晴天日における東京湾埋立地における土地利用が,その周辺の熱・風環境に与える影響を,領域気象モデルWRF を用いて解析した。本数値実験により,以下のことが明らかとなった。 沿岸域の土地利用を現状から森林にした場合,1)6 時から15 時の時間帯では森林化による気温の差はほとんど生じなかった一方,6 時から15 時を除く時間帯において,埋立地の代表的な地点において平均1.4℃の気温低減効果が見られた。2)沿岸域の海風の風速は,森林化したケースの方が小さくなった。3)比較的冷涼な風が浸透した領域は埋立地から内陸方向に最大10km 程度に留まった。