主催: 一般社団法人環境情報科学センター
p. 155-160
内陸盆地の一日や日々の寒暖差ストレスを実際の人体生理量変化から確認し,世界的に広く使われる体感温度UTCI インデックスが気候ストレス情報として有用であるかを検証した。屋外の気象測定データから算出されたUTCI は観測期間中,早朝の約7℃から日中30℃までの大きな寒暖差をあらわした。このとき被験者は一日のなかで寒冷ストレスと暑熱ストレスの両方を経験しており,観測されたUTCI の情報は,被験者の温冷感覚,体表面温度,血圧,心拍変動とそれぞれ明瞭な関係性を呈した。また,UTCI と生理量の変化から,UTCI が20℃台前半の条件で温熱生理的にストレスが最小となり,その範囲から低温側にも高温側にもストレスは増大する特徴がえられた。