本研究は,沿道住民の地域や街路樹に対する意識を把握し,そこから街路樹の維持管理への参加意欲に影響する要因の構造を,沿道住民へのアンケート調査結果を用いた共分散構造分析によって探った。その結果,『地域の価値認識』の意識が高まると『街路樹の価値認識』に対する意識も同時に高まり,互いに影響を及ぼし合いながら正の強い影響を与え合うことがわかった。『街路樹の維持管理への参加意欲』は,『街路樹の価値認識』に強く影響を受け,『街路樹の価値認識』は,『街路樹の課題認識』に及ぼす影響が弱く,『街路樹の管理状態に対する評価意識』,『街路樹の果たす役割に対する認識』に強く影響を及ぼす構造であることがわかった。