環境情報科学論文集
Vol.32(第32回環境情報科学学術研究論文発表会)
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研究論文
組織面からみた農業水利環境ストックの継続的な維持管理の要因と課題
新田 将之中島 正裕岩本 淳
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p. 245-250

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抄録

1988 年以降,住民参画型の水環境整備により農業水利施設が有する多面的機能の維持・増進が図られてきた。本研究では,こうした整備実施により多面的機能が増進された農業用水系を農業水利環境ストックとし,同ストックを27 年間にわたり保有してきた滋賀県甲良町を対象に,維持管理の継続要因と課題を組織面から分析した。その結果,区が担う全世帯出動型の活動によりストック全体の清掃が網羅され,さらに2 つの住民組織が点検,補修および記録・広報を担うことで,ストック全体の維持管理が補完されていた。また,集落行事の準備が住民組織間の活動調整の機会として機能していた。今後の維持管理の継続に向けては,組織内の世代交代が課題である。

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© 2018 (社)環境情報科学センター
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