抄録
本研究は,障害者自立支援法にもとづく就労継続支援A 型とB 型で事業所運営と障害者の働き方がどのように異なるかを明らかにした。岡山県と大分県の事例調査を通して,A 型,B 型にかかわらず,福祉分野の要因(障害の種類と障害者の高齢化)と農業分野の要因(作業場所,栽培方法)にもとづいて障害者への配慮が行われていること,およびA 型事業所では,障害者が「労働者」とみなされ,一定程度の作業能力・対人関係能力のある障害者に限定され,職員の負担は軽い 一方,B 型事業所では障害者が「支援対象者」とみなされ,幅広い障害者が利用できるものの,職員の農業従事負担が重いことが明らかとなった。