抄録
本研究は,オーニングの暑熱緩和および紫外線遮蔽効果を明らかにすることを目的として,実空間のオーニング下およびオーニングを閉じた状態で熱および紫外線環境を実測した。実測は 2017 年8 月に埼玉県上尾市の幼稚園で実施した。実測データを用いて,温熱指標UTCI,暑さ指数WBGT,およびUV Index を算出し比較した。その結果,日射量1,000 W/m2 の晴天において,オーニングを展開することでUTCI が4.9 ℃ 低下することを示した。また,WBGTが3.3 ℃低下し,熱中症の危険度カテゴリが1 段階低下することを明らかにした。さらに,オーニング下は,紫外線に対して防御が必要ない環境となることを示した。