抄録
近年「自然との心理的つながり」の希薄化が問題視されている。本研究では緑の利用形態とその感情体験について,総論的に把握することを目的に457 名の男女に質問紙調査を行なった。384 件の感情体験に関する自由記述回答文を対象にテキストマイニングにより頻出語の抽出と共起ネットワークの作成を行った。最頻出の語は「花」,次は「見る」であった。共起ネットワークから「花」を「見る」遠隔的なかかわりにとどまらず,「育てる」,「飾る」などの能動的なかかわりから癒しを感じる体験も抽出された。さらに男女別と年代別の解析から,かかわり方,楽しみ方の違いを把握することができた。