抄録
土地所有者と地方公共団体等の契約による民有緑地を公開する制度として市民緑地と公開緑地があるが,制度運用の特徴は必ずしも明らかではない。本稿は,制度運用と契約された緑地の実態,市町村の今後の方針から,両制度の活用の特徴と緑地保全の課題を考察した。その結果,市民緑地は法令に沿って制度運用されるが,公開緑地には行政方針に対応した柔軟な運用が見られた。今後の市町村の方針は,市民緑地については申請があれば対応する姿勢が主流なので,契約する土地提供者の掘り起こしが課題となる。また,公開緑地には市民緑地の対象外となる緑地への活用が期待されるが,制度の柔軟さから生ずる契約解除のリスクの回避が課題となる。