ネット依存症傾向や現実逃避型ネット利用が高い学生ほど,新型うつ傾向とQOL(Quality of Life:生活の質)が悪化する傾向を示し,共感的ネット利用とレジリエンスや共同運動愛好度(複数人での運動を好む程度)が高い学生ほど,新型うつ傾向が抑制されQOL が高い傾向を示すとの仮説を設定した。文系大学生を対象に縦断調査を行い,共分散構造分析で分析した結果,仮説は一部を除き検証された。このことから,情報化社会における新型うつ傾向の予防策として,現実逃避型ネット利用の回避や共同運動愛好の促進とレジリエンス向上の重要性が示唆された。