環境情報科学論文集
Vol.33(2019年度 環境情報科学研究発表大会)
選択された号の論文の59件中1~50を表示しています
  • 神宮 翔真, 小川 結衣
    原稿種別: 研究論文
    p. 1-6
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
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    茨城県つくば市のロードキル(RK)を通報した市民と,RK を記録した道路維持委託業者が,轢死した哺乳動物種を正しく特定したかを調査した。我々は,1,601 の哺乳類のRK 記録を入手し,通報した市民および野生動物の非専門家である委託業者による種の同定結果を,専門家による同定結果と比較した。結果として,市民による種同定に対し,委託業者が判断を下すことで,種同定の信頼性向上には大きく寄与している一方で,希少種や特定外来生物の出現の多くが記録されない結果となった。現状は道路維持管理のみを目的としたシステムだが,教育プログラム等によって信頼性の向上を図ることで自然環境保全への活用は十分可能と考える。

  • 大平 和弘, 大野 渉, 白取 茂
    原稿種別: 研究論文
    p. 7-12
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
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    瀬戸内海と太平洋をつなぐ鳴門海峡は,渦潮が発生することで知られる国指定名勝(徳島県側)である。本研究は,渦潮を観潮するための視点場の特徴とその見え方について明らかとした。 観潮の可能性を有する海峡を取り巻く32 地点を対象に視点場の調査を行った結果,16 地点で渦潮が可視となったが,観潮に適した視点場は5 地点のみであった。さらにこの5 地点を対象として,春季大潮時における渦潮の定点観測と景観写真の分析を行った結果,橋上の2 地点は,渦潮の形態や動的変化を観潮するのに適した視点場であり,名勝指定地域の3 地点は,海峡景に渦潮が表情を与える多様な景観を鑑賞する視点場であることが示された。

  • 大坪 永二, 大野 暁彦
    原稿種別: 研究論文
    p. 13-18
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
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    本研究は,濃尾平野輪中地域にみられる屋敷林の形態的特徴および樹種構成を,集落形態から分析する。その結果,濃尾平野輪中地域に現在みられる屋敷林の平面形態には,4 種類のタイプがあることがわかる。そのうち3 タイプは,個別の屋敷のための屋敷林ではなく,集落全体を囲い込むように形成された屋敷林であることが明らかになる。また,屋敷林に用いられている植栽はそれぞれの樹種のもつ機能により使い分けて屋敷内に配植されていることがわかる。

  • 劉 銘, 下村 彰男, 中村 和彦, 山本 清龍
    原稿種別: 研究論文
    p. 19-24
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
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    本研究では,海外に整備された日本庭園に対して日本人が抱く違和感の分析を通して,その違和感の要因と「日本庭園らしさ」の認識構造について考察した。その結果,単体要素の素材感や形状が日本庭園らしさの認識に重要であることが明らかになった。コレスポンデンス分析の結果からは,日本庭園らしさの認識の着目点として,《自然物・人工物》《景観特徴・要素特徴》《境界部の明瞭―不明瞭》の3点が見出された。日本庭園の認識に際しては,主要な要素が目につき易く,その形態の伝統性や奥行き,隣接要素との納まりが重要である一方で、色彩やテクスチャーなどの景観要素の周辺とのコントラストにも留意が必要であることが考察された。

  • 山本 清龍
    原稿種別: 研究論文
    p. 25-30
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
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    本研究では,尾瀬国立公園の湿原を取り上げて,ニホンジカ(以下,シカという)による湿原への影響の認知度と管理施策に対する支持意向の関係性を明らかにすること,湿原に対する価値意識の構造の把握を通して尾瀬の価値をまもるための管理施策を考察すること,の2 点を研究目的とした。その結果,シカ対策では大面積の侵入防止柵が最も支持され,尾瀬の壮大な景観の価値が強く肯定されていた。また,実物のシカとシカの泥浴び場(ヌタ場)の視認と,銃器,罠による駆除の対策の支持との間で正の連関があった。大面積を対象とする管理施策は,尾瀬の景観の価値認識よっては支持されず,影響の深刻度の認知によって支持されており,意識構造の強化が必要と考えられた。

  • 土屋 友美, 村上 和仁
    原稿種別: 研究論文
    p. 31-36
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
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    日本ではWET 試験の導入が検討されているが,この試験は単一の生物種に対する毒性試験であるため実際の生態系における影響とは異なる結果になる可能性がある。本研究では標準モデル生態系であるマイクロコズムを活用したM-WET 試験の開発を行った。個体数(構造パラメータ)とDO(機能パラメータ)について枝分かれ型分散分析にて解析評価し,最大無影響濃度(m-NOEC)と毒性単位(TU)を算出した。供試排水(実験施設排水)のTU 10 となり,安全に排出されていると評価された。

  • 日本,スウェーデン,連合王国の地方自治体における建築物のエネルギー効率を事例として
    山下 潤
    原稿種別: 研究論文
    p. 37-42
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
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    近年世界的に,都市の持続可能な移行(UST)研究が蓄積されつつある。しかし管見の限りわが国では, UST 研究があまり蓄積されていない状況にあり,今後一層の研究の深化が望まれる。本研究ではmulti-level perspective (MLP)を分析枠組として用いて,住宅分野におけるミクロレベルの技術革新と都市がマクロレベルの持続可能な社会へ与える影響を明らかにすることを目的とした。パネルデータ分析の結果から,技術革新と都市が持続可能な社会へ正の影響を及ぼしていることを部分的に明らかにした。

  • 先進地域における目標・指標設定の傾向
    増原 直樹, 岩見 麻子, 松井 孝典
    原稿種別: 研究論文
    p. 43-48
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
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    本研究は,SDGs 達成に向けた取組みの一つとして,政府が指定した国内29 のSDGs 未来都市に着目し,環境モデル都市,環境未来都市,SDGs 未来都市が相互に重複する取組みであることを実証するとともに,29 自治体のSDGs 未来都市計画が貢献しようとするゴールを集計した。環境未来都市の中ではゴール7やゴール11 に関する取組みが多かったのに対し,SDGs 未来都市では,それらに加えゴール8,9,13 に関する取組みが増えており,取組みの多いターゲット17.17 に関してグローバル指標とSDGs 未来都市が設定するKPI の傾向が異なっていること,京都市の事例からはローカライズ指標に関するデータ取得や指標範囲設定の困難さの存在を明らかにした。

  • 髙野(竹中) 宏平, 中尾 勝洋, 尾関 雅章, 堀田 昌伸, 浜田 崇, 須賀 丈, 大橋 春香, 平田 晶子, 石郷岡 康史, 松井 ...
    原稿種別: 研究論文
    p. 49-54
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
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    Velocity of Climate Change (VoCC)とは,気候変動影響評価指標の一つで,生育や産業に適した気候条件を得るために生物や人間活動が移動しなければならない速度を示す。本研究では,基準地域メッシュ(約1 km2)の日本陸域37 7981 メッシュを対象に,1981?2010 年(現在気候値)と2076?2100 年(将来予測値)の年平均気温を用い,6 気候モデル×3 排出シナリオ×3 つの閾値=54 通りのVoCC を計算した結果,VoCC 36.8?308.6 m/year と推定された。更に,APLAT(環境省の気候変動適応情報プラットフォーム)への実装を想定し,VoCC に加えて位置情報を出力することで,自治体等の様々な主体が地域気候変動適応に利活用する方法を考案した。

  • ソ ユファン, 常松 展充, 横山 仁, 本條 毅
    原稿種別: 研究論文
    p. 55-60
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
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    本研究では,高解像度での天空率と表面温度の関係を分析した。解像度2m の数値表面モデルを用いて天空率を計算し,ヘリコプターから撮影した2m 解像度の表面温度の分布図を用いて, 両者をオーバーレイし,昼間と夜間の天空率と表面温度との関係を分析した。また,簡単な都市モデルからのシミュレーションを行い,天空率と表面温度の関係を分析した。その結果,天空率が高いほど表面温度も高いことが示された。また,シミュレーションの結果からも同様な結果が示された。

  • 春日部市「ふじ通り」を対象とした調査
    三坂 育正, 木下 芳郎, 井上 純大
    原稿種別: 研究論文
    p. 61-66
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
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    地域資源に着目した暑熱環境適応まちづくりの推進を目的として,春日部市における連続的な藤棚空間である「ふじ通り」を対象として,藤棚による歩行者の熱ストレス低減効果の検証を目的とした調査を行った。藤棚下空間は,日向と比較してSET*が低く,藤棚による暑熱環境の緩和効果を確認でき,歩行時における体表面温度上昇抑制や蓄熱量の大幅な低減による藤棚の熱ストレス低減効果を検証できた。また,日射遮蔽特性の視点からの維持管理手法の検討を行うとともに,市民を対象としたアンケート調査から,藤棚を活用した暑熱環境に適応したまちづくりを進める上で,緩和効果の定量的な把握と的確な情報発信の重要性であることが確認された

  • 梅澤 俊介, 錦澤 滋雄, 村山 武彦, 長岡 篤
    原稿種別: 研究論文
    p. 67-72
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
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    日本では,20kW 未満の小型風力発電事業に関する,国や基礎自治体による規制の効果や周辺住民への影響についての知見は未だ十分ではなく,地域的受容性の把握には至っていない。本研究では,小型風車が建設されている,あるいはガイドライン等で規制を行っている自治体を対象にアンケート調査を行い,ガイドラインの規定内容と運用実績を分析した。そして,秋田県男鹿市において,小型風車の周辺住民を対象にしたアンケート調査を実施し,小型風力発電事業による環境影響の認知及び住民の賛否態度等を明らかにした。

  • 平山 奈央子, 井手 慎司, 佐藤 祐一
    原稿種別: 研究論文
    p. 73-78
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
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    本研究では,環境保全のための多主体間連携の実態を把握することを目的として市民団体にアンケート調査を実施し,得られた156 件の回答を分析した。その結果,88.5%に連携経験があり,活動分野による連携形態の差異は見られなかった。また,138 の連携事業を類型化し,各類型の連携および実施団体の特徴を分析した結果,『市民型』団体は組織内の人材育成を積極的に実施し,市民団体間で小規模に連携している,『多主体型』団体は専門性が高く,多様な主体が資源を出し合い連携している,『行政型』団体は連携志向や他組織との繋がりを広げる意識が低く,行政から様々な資源提供を受けて活動していることなどが明らかとなった。

  • 藤岡 薫, 野里 碧海
    p. 79-84
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
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    人口減少や高齢化が進むなか,持続可能な都市形成の必要性が認識され都市のコンパクトシティ政策が日本でも導入されつつある。そこで,基礎的な土地利用パターンの事例をシミュレーションすることでコンパクトシティ政策導入後に起こり得る問題点を明らかにすることを本研究の目的とする。いくつかの条件下における土地利用パターンの変化を比較・分析することで各土地利用パターンの特性を得た。都市政策に対する提言としては,住民の加齢による都市構造の変化を重視した長期的視野に基づき都市構造の特性を踏まえた施策が必要であることが示唆された。

  • 三原 巧, 長岡 篤, 錦澤 滋雄, 村山 武彦
    原稿種別: 研究論文
    p. 85-90
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
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    水素エネルギー社会の実現のために2014 年より商用の水素ステーションの開設が進められている。一方で,水素の安全性に対して地域住民が懸念を持ち,トラブルになる事例も報告されている。水素ステーションの開設に賛同を得るためには適切な情報提供等が必要となるが,その要因は十分明らかになっていない。そこで本研究では,水素ステーション周辺の地域住民を対象にアンケート調査を行い,態度形成要因を明らかにすることを目的とした。その結果,水素ステーションに対する危険性よりも必要性が受容態度に影響を与えていること,水素ステーションに対する知識が必ずしも水素ステーションの受容につながっていないこと等が明らかになった。

  • 小塚 みすず, 神吉 晃大
    原稿種別: 研究論文
    p. 91-96
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
    会議録・要旨集 フリー

    近年,都市部と港湾部が密接に関わる港湾都市を創造し,その魅力を都市機能の一つとして発揮することが期待されている。本研究は,データ解析とアンケート調査に基づき,港湾都市の特徴を明らかにすることを目的とする。分析の結果,1)クラスター分析によって49 の研究対象都市を7 類型にまとめた。2)アンケート調査結果から,港湾都市の施設整備や都市活動,港湾周辺地域の範囲や地域課題を把握した。3)コレスポンデンス分析を行い,類型化された各港湾都市に立地する施設や展開している活動の状況など,港湾都市の類型と港湾周辺地域の整備との関係を示した。

  • 谷本 真佑, 南 正昭
    原稿種別: 研究論文
    p. 97-102
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,2013 年に大規模な都市整備事業が完工した盛岡市盛南地区を対象に,生活環境への満足度やソーシャルキャピタルが地区全体の満足度に与える影響について,盛南地区内の隣接する2地区で比較分析を行った。 分析の結果,生活環境への満足度が盛南地区全体の満足に影響していることが2地区で確認され,一部の項目で差が見られた。一方ソーシャルキャピタル項目は,盛南地区全体の満足度に影響しな いことが2地区で示された。盛南地区のような市街地形成から時間経過の浅い新規開発地では,都市問題の解決におけるソーシャルキャピタルの適用可能性を事前に検証する必要性を指摘した。

  • 眞坂 美江子
    原稿種別: 研究論文
    p. 103-108
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
    会議録・要旨集 フリー

    自動車の適正利用に滞る地方都市若年層への動機づけにおけるメディアの活用効果を明らかにするため,ポスターとビデオコンテンツにより同一の情報を提供し,情報提供方法の違いによる意識変化と情報の記憶率を比較した。実験の結果,ビデオコンテンツによる情報提供は,自動車利用を控える意識が低い被験者にとって,ポスターに比べ自動車利用を控える意識が高まりやすいことが分かった。また,クイズ等のインタラクティブ性を持たせた情報提供は,クイズに直接関連する情報を対象者に記憶させるには有効な手段であるが,同時に提供された他の情報は記憶に残りにくい傾向がある。ビデオコンテンツによる情報提供は,クイズに直接関連が低い情報についても対象者の記憶に残りやすいことも分かった。

  • 国際寮での調査を通して
    小野 聡, 島岡 航平
    原稿種別: 研究論文
    p. 109-114
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
    会議録・要旨集 フリー

    留学生の生活環境に対する認識がどのような属性及び環境要因によって規定されるのかを明らかにするため,既存研究の枠組みに加えて学習環境への認識について調査を行いその結果を分析した。分析は個人差を非集計的に測定可能な「階層ベイズモデル」を用いることにより,多様な背景を持つ留学生の生活評価の規定因を探索的に議論できるようにした。その結果,(1)国際寮の生活評価には,利便性,安全性,快適性といった諸項目に合わせて,語学や異文化交流機会を実現する場や実情が強く反映されていた。(2)海外居住経験の有無が生活評価に寄与することが示された。(3)回答者間の個人差について,集団生活への協力に対する考え方に起因する不満の存在が示唆された。

  • フィリピン・カランバ市の小学校を事例として
    松本 万里子, 西前 出, 島田 幸司
    原稿種別: 研究論文
    p. 115-120
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
    会議録・要旨集 フリー

    個々人の環境配慮行動や意識は,友人や家族,同僚など身近な人物から多くの影響を受ける。本研究では,固形廃棄物管理に関する環境教育プログラムを通じた知識習得と友人ネットワークの関係について分析した。小学6 年生へのアンケート調査によって収集したデータを分析した結果,次数中心性と近接中心性が高い,すなわち友人が多く,かつ友人との距離が近い生徒ほど固形廃棄物管理に関する知識習得の程度が高いことが明らかになった。また,教員への聞き取り調査から友人ネットワークは生徒の知識習得に関して重要な役割を果たしている可能性が示唆された。

  • 苗栗県の小学校を事例として
    許 容瑜, 伊藤 雅一, 岡村 聖
    原稿種別: 研究論文
    p. 121-126
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
    会議録・要旨集 フリー

    本研究の目的は,台湾における小学校の環境教育と児童の環境意識の関係性を明らかにするための基礎的知見を得ることにある。そのため,苗栗県の小学校を事例に,1)環境教育の実態に関するヒアリング調査,2)児童の環境意識に関するアンケート調査,3)共通した環境教育の実施後に伴う児童の環境意識に関するアンケート調査を実施した。その結果,各学校の授業実施区分と年間授業時間によって3 つの特徴的なパターンを抽出することができた。また,学校環境教育の違いは,児童の環境意識に影響を与えていること,同じ環境教育を実施しても,学校環境教育が充実している小学校では,児童の環境意識向上に相乗効果が得られていることを明らかにした。

  • 山口 雪子
    原稿種別: 報告
    p. 127-132
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
    会議録・要旨集 フリー

    幼少期の自然や生きものに触れる経験が,その後の野生動物に対する好悪にどう影響するかを,視覚障害者を対象とするアンケート調査から検討した。全国の視覚障害者団体に依頼し,96 名の視覚障害者から回答を得た結果,野生動物に対する好悪は,好き5 割,嫌い(苦手)4 割,興味なし1 割であった。回答内容を分析した結果,4~8 歳当時の自然や生きものに触れる経験が,野生動物の好悪と関連していた。また,視覚障害による認識不足が野生動物の嫌い(苦手)に影響していた。 本調査結果は障害の有無にかかわらず幼少期に自然や生きものに親しむ経験の重要性を示唆し,さらには障害に伴う認識不足を補う手立ての必要性を示すと考察する。

  • 山梨県忍野村のシンポジウム参加者を対象に
    藤吉 麗, 西村 武司, 加藤 尊秋, 陀安 一郎
    原稿種別: 研究論文
    p. 133-138
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
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    山梨県忍野村を対象に,自治体主導で地下水保全が実施される地域における住民が,地下水に対して同位体を用いた調査・分析を行うことをどの程度理解し,同位体を用いて得られた情報をどの程度評価するかを,アンケート調査により明らかにした。その結果,地下水に対して同位体を用いた調査で得られる情報(起源,流動,年齢)への関心は,同位体以外の手法で得られる情報(水質,水量,水温)と同程度に高く,地下水保全に対して地下水の流動の調査が重要視されることがわかった。同位体の知識,地下水への関心を高めることが課題である一方,自治体主導であっても,地下水マネジメントの構成要素のひとつである地域における合意は得られる可能性が示唆される。

  • 坂部 創一, 山崎 秀夫
    p. 139-144
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/22
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    ネット依存症傾向や現実逃避型ネット利用が高い学生ほど,新型うつ傾向とQOL(Quality of Life:生活の質)が悪化する傾向を示し,共感的ネット利用とレジリエンスや共同運動愛好度(複数人での運動を好む程度)が高い学生ほど,新型うつ傾向が抑制されQOL が高い傾向を示すとの仮説を設定した。文系大学生を対象に縦断調査を行い,共分散構造分析で分析した結果,仮説は一部を除き検証された。このことから,情報化社会における新型うつ傾向の予防策として,現実逃避型ネット利用の回避や共同運動愛好の促進とレジリエンス向上の重要性が示唆された。

  • 和田 有朗, 中野 加都子
    原稿種別: 研究論文
    p. 145-150
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
    会議録・要旨集 フリー

    エネルギー教育プログラムとして,講義,グループワーク,エコ診断の3 つを実施した。 これらの実施後の意識の変化から教育効果を把握し,講義を受講して三か月後において環境配慮行動の実践について調査した。その結果,講義を受けることで,「関心」「知識」「思考」「行動意図」のすべてが向上した。グループワークを実施することで,「思考」が向上した。エコ診断をすることで,「関心」「知識」「行動意図」が向上することが確認された。また,エネルギーに対する意識の比較と三か月後調査の「自分の行動に影響を与えたもの」の結果から,環境配慮行動に影響を与えるのは,「講義」が重要だと考えられた。

  • 高橋 正弘
    p. 151-156
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
    会議録・要旨集 フリー

    新潟県佐渡市の住民を対象に,佐渡市内で進められているトキ保護に関し,現状の意識を把握するためのアンケート調査を2014 年と2019 年に実施した。調査項目の中の環境教育に関する4つの質問を取り上げ,二つの調査結果を比較し分析を行った。トキ保護のために環境教育や啓発活動が必要かについては,両調査ともに3/4 が必要であると回答した。環境教育の対象者は佐渡市全域の大人とこどもが,環境教育の内容はトキに限らず佐渡の自然環境全般について扱うことが,そして環境教育の方法には学校教育,広報誌の活用や研修会・講習会の開催,ポスター等を用いた広報活動などさまざまな手法が選択された。5年を経た二つの調査はほぼ同様の結果となった。

  • 2010 年にモンゴル国ドンドゴビ県で発生したゾドを事例にして
    中村 洋
    原稿種別: 研究論文
    p. 157-162
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
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    モンゴル国の遊牧に最大のショックを与えるのが自然災害“ゾド”である。2010 年に発生したゾドにより,同国内で最も頭数が減少したドンドゴビ県で調査を行った。その結果,牧民138 世帯のうち45 世帯が,ゾド後,放牧地から離れていた。それらの世帯は,自家消費などの定常的な家畜の減少を補うのに必要な頭数のメスを,ゾドにより失っていた。牧民,及び女性の牧民が少なく,共同で牧畜作業を行う牧民のグループがない,都市部との結びつきが強いという傾向も見られた。ゾド後,家畜をほぼ失った世帯に少数の家畜を与える支援が行われたが,回復につながる頭数ではなかった。再生産に必要な頭数と家畜構成にも配慮した回復支援が必要である。

  • 大西 茂, 田中 勝也
    原稿種別: 研究論文
    p. 163-168
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
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    本稿では地域農産物の購入に対する消費者の選好をエシカル消費の観点から分析し た。大阪府,京都府,滋賀県に居住する約2,200 人を対象とした選択型コンジョイント分析の 中で,地域産葉物野菜の購入金額の一部が地域環境へ還元されるとする地域還元の属性を加え,消費者が利他的利益をどう評価しているかを分析した。分析モデルの推定結果から各属性の限 界支払意思額(MWTP)を推計したところ,一般農産物に対する地域農産物の経済的価値の増加は,地域還元があることでさらに4%上昇する。地域農産物の促進要因には,エシカル消費の概念の理解等も寄与することが示唆され,さらに,地域環境への貢献等の利他的観点からの訴求も必要となる。

  • 上田 萌子, 浦 裕和
    原稿種別: 研究論文
    p. 169-174
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
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    本研究では,里地里山の伝統的資源利用の一例である能勢町のクリ林を対象に,現状の分布と管理実態を明らかにし,今後の保全のあり方を探った。調査の結果,能勢町では山裾の斜面地を中心に,現在も積極的な管理がされていることを確認した。また,管理程度の大きい栽培者は,積極的に販売を行っており,収益性が確保されていた。しかし,今後の栽培意向では積極的な意見は少なく,栽培者にとってクリ林のもつ価値への認識は高くないことがわかり,今後は放棄林が拡大する可能性も示唆された。能勢町のクリ林を保全するにあたり,収益性を高める取組みと,町内外へのクリ林の価値認識の普及が重要であると考えられる。

  • 高レベル放射性廃棄物(HLW)処分の欠如モデルによる市民会議の事例
    山田 美香, CHOI Yunhee, 松岡 俊二
    原稿種別: 研究論文
    p. 175-180
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
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    なぜバックエンド問題の社会的議論が難しいのかという問題意識から,欠如モデル(Deficit model)型リスクコミュニケーションの問題点に着目し,社会的議論形成に向け社会的受容性要因を検討した。市 民が立場の異なる専門家3 名(地層処分に推進・慎重・中立)から一方向コミュニケーションの情報を受け,市民会議前・後の変化を質問票で測定し,選好判断の根拠を社会的受容性4 要因(技術・制度・市場・地域)・信頼・世代間公平性・原子力政策で評価した。その結果, 欠如モデル型リスクコミュニケーションは選好の変容に限定的で, 市民の政策選好判断は技術的要因だけではなく, 制度的要因や世代間公平性という社会的側面の情報が大切なことが示された。

  • 久保 暁子, 山本 清龍, 中村 和彦, 下村 彰男
    原稿種別: 研究論文
    p. 181-186
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,ストレス軽減のためデジタル機器から一定期間離れる取り組みであるデジタルデトックスの基盤的な研究を企図して,①回答者の属性とデジタル機器の使用状況,デジタル機器の依存性を把握し,それらの関係性を明らかにすること,②平日・休日の過ごし方,デジタルデトックスへの意向を把握し,デジタルデトックスの可能性を考察すること,の2点を目的とした。その結果,約半数の学生がデジタル機器を4時間以上使用し,一部の学生は機器の使用によって学生生活に問題を抱えていた。学生の意向をふまえれば,日常の機器使用制限や自然豊かな場所への外出はデジタルデトックスに有効と考えられた。

  • 小林 昭裕, ジョーンズ トマス
    原稿種別: 研究論文
    p. 187-192
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
    会議録・要旨集 フリー

    山岳遭難要因に対処する登山者,管理者,ガイド・山小屋が担うべき責任・役割について,登山者による評価を,アンケート調査により把握した。本調査では,山岳遭難要因として,高山病,登山道の危険個所,道案内,火山噴火,悪天候,安全登山に関する情報提供,ヒヤリハットの情報交換を対象とした。その結果,遭難要因のタイプによって,登山者からみた自身,管理者,ガイド・山小屋の責任や役割の程度 (主たる・補助的・なし)が異なると同時に,同じ遭難要因でも主体間で責任や役割の程度が異なることが判明した。各主体の責任・役割が遭難要因によって異なる傾向を示したことから,要因特性に対応した主体間の協働的体制の検討を進める必要がある。

  • 永井 勇輝, 山本 和清, 宮﨑 渉, 鈴木 一帆, 友枝 萌子, 阿久津 研介
    原稿種別: 研究論文
    p. 193-198
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
    会議録・要旨集 フリー

    近年,我が国に訪れる外国人観光客が年々増加傾向にある。したがって,大規模な災害が頻発している我が国では,地震・津波等の経験にばらつきがあるとされる外国人観光客への対策は急務であると考えられる。本研究では,観光施設等と外国人観光客が求めている避難誘導等の差異を抽出し,今後の外国人観光客の避難誘導の一助となる知見を得ることを目的とした。その結果,観光施設等では「人による避難誘導」「標識等サイン整備」を行うことが重要であり,さらに情報提供手段としては“Safety tips”の普及を行うことで,外国人観光客の求める情報提供・避難誘導につながると考えられる。

  • 加藤 麻理子, 山本 清龍, 下村 彰男
    原稿種別: 研究論文
    p. 199-204
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
    会議録・要旨集 フリー

    自然資源の協働型管理運営について,地域住民が担い手となるガイド制度における地元ガイドの主体性と資源管理の参画意識を明らかにするため,沖縄のやんばる森林ツーリズムを事例に,文献調査,ヒアリング,アンケートを行い,地域住民の主体的な関与の推進方策について考察した。自然資源と地域の歴史・文化とのつながり,モニタリング実施,フィールド区分,ルールづくりが重視され,資源管理やモニタリングに対する地元ガイドの認識は高かった。特にモニタリング経験は研究者,関係機関等との接点や来訪者ニーズへの関心を増やすことにつながり,持続可能な利用と保全の両面を担う主体的な地域人材の育成に寄与すると考えられる。

  • 有賀 健高
    原稿種別: 研究論文
    p. 205-210
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,被災地復興支援のための消費行動と消費者の利他的意識の関係を検証した。 離散選択実験で得られたデータの分析により,利他的意識の度合いが強い消費者ほど,被災地復興支援の消費に積極的であることが明らかとなった。また,社会的属性による消費行動の違いを分析した結果,年齢や学歴は復興支援の消費に負の影響があったが,男性や所得といった属性は正の影響を及ぼす傾向が見られた。さらに,日本と外国の被災地復興支援の消費行動を比較した結果,復興支援の消費行動は,国境を越えてまでは及ばない可能性が示唆された。以上より,少なくとも利他的な消費者を育んでいくことは,今後の日本の被災地復興支援に有効であると言える。

  • 島宗 俊郎, 伊藤 雅一
    原稿種別: 研究論文
    p. 211-216
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
    会議録・要旨集 フリー

    本研究の目的は,台湾の旅行業者からみた訪日着地型観光ニーズとこれらを形作る観光関連組織間の連携を明らかにすることにある。このため,日本国内における着地型観光の市場動向を把握したうえで,台湾の旅行業者を対象としたアンケート調査を実施した。その結果,台湾の観光業者は,1)グリーンツーリズム,文化観光,ヘルスツーリズムを中心とした着地型観光に関心を持っていること,2)これまでは日本の旅行業者を中心に連携を図ってきたが,今後は日本国内の多様な観光関連組織との連携の拡大が見込まれること,3)関心を示す着地型観光の運営主体との連携を志向していることを明らかにした。

  • 霞ヶ浦湖上体験スクールを事例として
    冨田 俊幸
    原稿種別: 研究論文
    p. 217-222
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
    会議録・要旨集 フリー

    短期の自然体験型環境学習の学習効果について,霞ヶ浦湖上体験スクールを事例として検証した。学習効果の測定は,学習前,学習直後,学習1か月後に質問紙により実施した。その結果,学習直後には親近感,環境リスク認知,責任帰属認知が高まり,環境配慮行動が増えて学習効果が得られた。学習直後と比べると学習1 ヶ月後には,親近感,環境配慮行動が低下しているが,学習前に比べると変わらないかもしくは高かった。ただし,学習1 ヶ月後については,その後に学習している可能性もあるため,学習前と比べて変容は認められるが学習効果が持続していると断定することは難しい。

  • 和歌山県東牟婁郡串本町を対象地として
    森 拓実, 山本 和清, 宮﨑 渉, 鈴木 一帆, 友枝 萌子
    原稿種別: 報告
    p. 223-228
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
    会議録・要旨集 フリー

    避難標識のピクトグラムが不適切な表示の場合,災害時に人的被害に繋がるため表記内容が重要である。本研究では,ピクトグラムの理解度を調査して,今後の災害種別避難誘導システム及びピクトグラムのあり方について検討することを目的とする。選定地を和歌山県東牟婁郡串本町とし,調査対象者を串本町の住民とする。ピクトグラムそのままの表記ではなく,文字を入れることが有効であると考えられる。

  • 一杉 佑貴, 近藤 康之, 田原 聖隆, 伊坪 徳宏
    原稿種別: 研究論文
    p. 229-234
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
    会議録・要旨集 フリー

    近年、循環型社会への実現に向け,日本では第四次循環型社会形成推進基本計画で資源の回収率向上や廃棄物削減、廃棄物処理のエネルギー効率化に対する取り組みを行っている。そこで,本研究では産業連関分析を応用した拡張型の廃棄物産業連関表を駆使して,日本の最終重要により誘引される廃棄物フットプリントの算出を試みた。本研究では,ライフサイクルを通じて発生する廃棄物の発生量と廃棄物の埋立処分量を対象としている。さらに廃棄物フットプリントとカーボンフットプリントの比較を行い,「食料品製造」,「飲食サービス」,「建築」による廃棄物を低減させることが気候変動の緩和にもつながることが明らかになった。

  • 中野 健太郎, 永井 祐二, 小野田 弘士, 永田 勝也
    原稿種別: 研究論文
    p. 235-240
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
    会議録・要旨集 フリー

    産業廃棄物不法投棄として日本最大級の事件である豊島事件の産廃撤去及び処理に係る豊島廃棄物等処理事業の環境性・経済性を評価することにより,適正に処理を行わず,汚染された産業廃棄物の不法投棄を続けた本事件がもたらした環境負荷及び経済的負担を明らかにする。また,事業期間中の環境負荷・経済性の変動要因を分析することにより,不適正に処理された産廃の撤去・無害化(及び再資源化)を行うにあたって,発生した問題とその対処方法による影響を明らかにする。

  • 伊坪 徳宏, 和田 充弘, 今井 茂夫, 明賀 聡, 牧野 直樹, 正畠 宏一
    原稿種別: 研究論文
    p. 241-246
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
    会議録・要旨集 フリー

    日本の紙おむつ年間生産量は,約235 億枚(2018 年,乳幼児用,大人用合計)にのぼる。使用済み紙おむつは,ほとんどが焼却処理され,一部地域においてはリサイクルされているが,オープンリサイクルやサーマルリサイクルに留まるのが現状である。本研究では,使用済み紙おむつをクローズドリサイクルし,再資源化したパルプ,高分子吸水材(SAP)を紙おむつの原材料として循環させる新技術について,ライフサイクルアセスメント(LCA)手法を用いて,環境影響を評価した。埋立処理,焼却処理との比較では,温室効果ガス排出量は,47 %39 %削減されるという結果を得た。土地利用面積,水消費量についても同様に削減が見込まれる結果を得た。

  • 本田 裕子
    原稿種別: 報告
    p. 247-252
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
    会議録・要旨集 フリー

    最初のトキの放鳥から10 年を迎えた現時点での住民のトキに対する認識について,これまでの調査と同様の方法によりアンケート調査を実施し,比較検討を行った。まず,野外でのトキの生息数が増加している中で肯定的な認識が継続されていた。次に,肯定的な認識は,最初の放鳥前後である「2008 年と2009 年」と約6 年および10 年が経過した「2014 年と2019 年」で特徴が分かれていた。この10 年でトキに対して「地域のシンボル」とする認識が確立しつつある中で,農業面での心配は増加していた。現時点では「心配」の段階であるが,「害鳥視」につながらないように,被害の実態等についての調査の蓄積およびその発信が待たれる。

  • 佐々木 章晴
    原稿種別: 研究論文
    p. 253-258
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
    会議録・要旨集 フリー

    北海道根室海区は,北部地区と南部地区が存在する。サケ(Oncorhynchus keta)の漁獲量は,南部地区は北部地区の20.3%である。この要因として,サケ稚魚の生存率に差がある可能性が指摘されている。この要因として,流域土地利用による河川水質の変化が考えられる。北部地区に比べて南部地区は,流域森林率が小さく,流域1haあたり窒素投入量が多く,河川水中NO3-N濃度,酸可溶Fe濃度,酸可溶Al濃度が高かった。これらのことから,流域土地利用によって河川水質が変化することが示唆され,サケ稚魚に何らかの影響を与えている懸念がある。 

  • インドネシアのエコツーリズムビレッジを事例として
    田代 藍, ズライハ・ナウァウィ シティ, 中谷 友樹
    原稿種別: 研究論文
    p. 259-264
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
    会議録・要旨集 フリー

    インドネシア・リアウ州の沿岸域ではマングローブ林の減少が深刻化し, 住民による自然資源の持続性確保が課題となっている。本研究では, 自然資源管理の持続性に資する資源利用と住民の生活との関連を探るため,マングローブ・エコツーリズムを導入した3 つの村を対象とし, マングローブ生態系が提供する機能, サービスと生態系がもたらすHuman wellbeing との結びつきをネットワーク分析を用いて解析した。解析の結果, 生態系の機能, サービスのつながりの程度と結びつくHuman wellbeing の要素は村ごとに異なっていた。地域の内在的な資源利用慣行を組み込んで生態系がもたらすHuman wellbeing を包括的に評価することは, 住民主体の参加型保全の検討に有用なものと考えられる。

  • 村上 健太郎
    原稿種別: 報告
    p. 265-270
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
    会議録・要旨集 フリー

    「ノベル生態系」とは過去に出現したことがない従来とは異なる種組成や物理的環境からなる生態系であり,近年,復元生態学に大きな影響を与えている用語である。この概念を提示したHobbs et al. (2006)は,ノベル生態系とそれ以外の生態系の境界を閾値と述べ,閾値を越えた生態系(ノベル生態系)は従来の生態学的復元のように「元に戻す」ことを考えるのではなく,その有益性を最大化させるような異なる管理方法を取るべきと主張した。この概念は批判を浴びつつも,ノベル生態系が高い種多様性を保持する事例や絶滅危惧種の生育を支える事例など,多くの研究で活用されており,都市などの人為圧が高い環境において有用であると考えられた。

  • 横田 樹広, 江藤 菜々子
    原稿種別: 研究論文
    p. 271-276
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
    会議録・要旨集 フリー

    横浜市内の帷子川流域を対象に,表流水の集水過程における位置の異なる緑地を微地形構成をもとに分類し,支流域・小流域レベルで立地環境を評価した。15 の支流域と629 の集水域を対象に,微地形の構成割合に応じた緑地立地類型の分布と,地形,累積流量,土地利用といった集水環境特性との関連を把握した。その結果,緑地は4 類型に区分され,その分布には,支流域・小流域における台地・丘陵地上平坦面と斜面地の面積,支流域の土地利用が影響した。グリーン・インフラとしてとくに「分散・斜面型」「分散・貯留型」の緑地の役割の違いが重要と考えられ,支流域の環境特性と小流域内の流出過程に応じた緑地活用を図ることが重要と考えられた。

  • 東京都神田川上流域を対象として
    根岸 勇太, 田原 康博, 山本 遼介, 小西 裕喜 , 石川 幹子
    原稿種別: 研究論文
    p. 277-282
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
    会議録・要旨集 フリー

    東京都神田川上流域を対象とし,都市空間に即したグリーンインフラ導入シナリオを設定し,これを評価するための地下水流動モデルの構築を行うことを通じて,地下水涵養及び湧水の再生を主眼とする健全な水循環の形成を目指すグリーンインフラを活用する計画手法を検討した。その結果,グリーンインフラを用いて雨水の地下浸透対策量を平均で約15.4mm/h 増加させることが,台地部地下水位の3m 前後以上の上昇,ほとんどの河川区間での湧水量の増加等,健全な水循環の形成に寄与する可能性が示された。また,重要な雨水浸透域を「地下水涵養区域」等として即地的に示しグリーンインフラを集中的に導入していく施策展開の可能性が示された。

  • 岐阜県笠松町から愛知県犬山市までを対象に
    馬場 慎一
    原稿種別: 研究論文
    p. 283-288
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
    会議録・要旨集 フリー

    木曽川上流部における築堤は,1601 年から1609 年にかけて行われたが,その後も多発する洪水により破堤し,猿尾が特定な期間と箇所に多数設置された。本研究は,猿尾の設置基数と河道特性,および猿尾高による破堤防止効果との関わりについて考察を加えた。その結果,猿尾の設置密度は洪水水面勾配,および猿尾高は破堤と関連していることが明らかになった。

  • 菅原 遼, 畔柳 昭雄
    原稿種別: 研究論文
    p. 289-294
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,昨今,河川上空の高架道路の移設撤去やそれに伴う河川再生の議論がなされている東京都日本橋川での河川利用の動向に着目し,水辺開放に向けた取り組みとそこに係わる組織団体の連携体制の変遷を把握するとともに,組織団体間の関係性やその役割を捉えた。その結果,日本橋川での取り組みは,萌芽期・構築期・展開期に分類でき,行政主体から民間主体による実施体制の移行に伴い,水辺開放に主眼を置いた取り組みが実施されていた。また,地域組織,民間企業,行政等の多様な主体の連携による取り組みの推進は,地縁的組織により構成されている中間的組織がその役割を担っていた。

  • 地域レベル解像度-可視化システムと気候リスクコミュニケーション
    大場 真, 戸川 卓哉, 渡邊 学, 榎原 友樹
    原稿種別: 報告
    p. 295-300
    発行日: 2019/11/25
    公開日: 2019/11/22
    会議録・要旨集 フリー

    2018 12 月に気候変動適応法が施行され,その中で地方自治体における気候変動適応計画の策定が努力目標として掲げられた。著者らは地域における気候変動に対する脆弱性と,将来の社会変化とを考慮した,気候リスクを可視化するシステムを開発している(Vulpes: Vulnerability Pluralistic Evaluation System)。本報告では地域脆弱性の評価手法と,社会変化予測のためのモデリングを概説した。さらにこれらを統合して気候リスクを推定した結果を,ワークショップなどの参加型アプローチで地方自治体に提供し,地域適応計画の策定を支援する研究について報告する。

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