本研究では,環境保全のための多主体間連携の実態を把握することを目的として市民団体にアンケート調査を実施し,得られた156 件の回答を分析した。その結果,88.5%に連携経験があり,活動分野による連携形態の差異は見られなかった。また,138 の連携事業を類型化し,各類型の連携および実施団体の特徴を分析した結果,『市民型』団体は組織内の人材育成を積極的に実施し,市民団体間で小規模に連携している,『多主体型』団体は専門性が高く,多様な主体が資源を出し合い連携している,『行政型』団体は連携志向や他組織との繋がりを広げる意識が低く,行政から様々な資源提供を受けて活動していることなどが明らかとなった。