【要旨】子どもは当初 SARS-CoV-2 に感染することが少なかったが、オミクロン株に置き換わってから感染例が激増した。ただ子どもは大人(特に高齢者)にくらべて重症化することがきわめて少なく、その機序としては自然免疫応答の強さや抗感冒コロナウイルス免疫の交差反応が想定されている。重症化率は低くても感染例が激増したことを受けて重症例・死亡例がみられるようになり、特に国内では急性脳症の併発が危惧されている。またコロナ禍における社会の変化や子どもの感染予防対策が過度に行われることにより、子どもの心の発達を妨げられ心の健康を蝕まれていることに留意すべきである。