若い年代ほど環境に対する意識が低いことが,これまでの世論調査で示されている。こうした世代間差異の要因として,人生における経験(ライフイベント)が注目されているが,子育てなどの経験が環境に対する意識や行動を高めるかどうかは定かでない。一方,日本では1990 年代からの学校での環境教育により,環境意識の高まりが期待される。本研究ではライフイベントと環境教育の経験が日本人の環境意識にどのように関わっているのかをアンケート調査により検証した。この結果,環境教育の経験や家事の分担,第一子の子育ての経験が,20 代や30 代における環境意識を高め,世代間差異を縮小する方向に影響していることを明らかにした。