全国の半自然草原を対象に実施したアンケート結果を用いて,草原の維持管理に関する現状と課題を明らかにした。その結果,かつては放牧や採草,茅採取等によって成立していた草原の多くが,観光や生物保全を目的として維持管理されていた。一方,草原の維持管理には市町村に加えて集落の役割も大きく,地元コミュティの負担が大きくなっていた。また,NPO による管理やボランティアの参加等,草原の維持活動に新たな主体が関わる傾向が見られた。以上のことから,市町村や地元コミュニティに加えてNPO やボランティアのような市民セクターとの連携,協力体制の構築が重要と考えられた。