地域循環共生圏では,SDGs の複数の目標を同時に達成しうる持続的かつ多面的な視点からの森林資源管理が必要不可欠である。本研究では滋賀県を対象に森林景観モテ゛ルのLANDIS-II を用いて木材生産と炭素固定サービスと樹種の多様性の変化をシミュレーションし,琵琶湖森林づくり基本計画と現在の施業方法の二つの森林管理シナリオを比較した。その結果,森林のゾーニンク゛と積極的な森林管理は,木材生産と炭素固定サービスを同時に向上させ,樹種の多様性を劣化させないことが示唆された。樹種の多様性とこれらの生態系サービスのトレート゛オフを回避しつつ,持続可能に地域を脱炭素化できる森林管理計画の立案に貢献することが期待される。