本研究では,高島市マキノ地域のメタセコイア並木における協働型管理の変遷と効果を把握し,並木が多様な効果を発現するための知見を得ることを目的とした。結果として,整備期には,防風と景観形成機能を果たす存在効果が確立された。注目期には,メタセコイア並木に関わる主体群が,それぞれ観光といった利用効果を発現させていた。シンボル期には,南北のゾーンをまたいだ産・官・民からなる団体が設立され,協働型管理を通じてコミュニティ形成,賑わい創出や教育・文化交流といった媒体効果が発現した。これには,賑わい創出の収益を協働型管理に還元し,メタセコイア並木の存在効果や利用効果を更に発展させるしくみが影響していた。