環境情報科学論文集
Vol.36(2022年度 環境情報科学研究発表大会)
選択された号の論文の43件中1~43を表示しています
研究論文
  • サバンナリバ ー・サイト地域委員会を事例に
    朱 鈺
    原稿種別: 研究論文
    p. 1-7
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    原子力施設の廃炉事業の円滑な推進のためには,立地地域の意見に配慮することが求められる。本研究は,アメリカのサバンナリバー・サイト地域委員会を中心とした「対話の場」に着目し,廃炉計画の策定にあたって,地域社会の市民参加をどのように実施するのかを考察した。その結果,「対話の場」を有効に活用するには,早い段階からの市民参加と行政の積極的なフィードバックが必要であることが示された。また,フィードバックには,行政の積極的な関与,地域委員会メンバー間の協働,代表性のあるメンバー構成が重要であることが分かった。

  • 靱公園周辺地域を事例として
    豊田 泰史, 大塚 芳嵩, 今西 純一
    原稿種別: 研究論文
    p. 8-13
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
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    地域への場所愛着が都市における市民参画を促進させるとして,まちづくりにおいて注目されている。そこで,本研究では,都市公園という都市の構成要素に注目し,近隣住民が抱く都市公園への場所愛着の現状と,公園への愛着と公園利用形態との関連を検証した。調査は大阪市内の靱公園周辺に在住する住民を対象に郵送式の質問紙調査で行った。その結果,70%の近隣住民は靱公園や近隣地域に対して愛着を抱いていることが分かった。また,靱公園への愛着は,場所愛着の下位尺度では情緒的愛着と社会的愛着によって説明された。さらに,利用形態では親しい人との利用と利用期間の長さが靱公園への愛着に関連していることが示唆された。

  • 福本 優, 胡 清々, 高田 知紀, 赤澤 宏樹
    原稿種別: 研究論文
    p. 14-19
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,神戸市のフラワーロードを対象として,道路を使う一般利用者の年代,子の有無,利用目的,利用頻度といった属性の違いによって,メインストリートにおける緑化空間の構成と利用意向との関係性にどのように違いが生じるのかを明らかにした。研究の結果,メインストリートにおける利用行動は「都市活動的利用群」「自然活動的利用群」「静的利用群」の3 つの利用群に分類できた。また,利用者属性別に異なる利用行動の特徴を明らかにし,属性の異なる利用者の多様な利用行動意欲を高める緑化空間の必要性を示した。

  • 山田 由紀美, 大平 和弘, 高田 知紀, 赤澤 宏樹
    原稿種別: 研究論文
    p. 20-25
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,兵庫県の病院を対象に,病院敷地内外の緑地の構成とリハビリの利用状況およびその効果に対する認識について明らかにした。アンケートの結果109 病院のうち86.3%に緑地が存在し,そのうち87.2%が理学療法を中心としたリハビリに利用しており,複数種類の敷地内緑地や隣接緑地で行うリハビリに対する精神的・身体的効果の有効性が示唆された。また,GIS と航空写真を用い,リハビリの利用状況および効果に対する認識と人口集中地区および緑地の構成の関係を調べた結果,隣接緑地を利用する病院の多くが都市部に立地し,緑地の個数と面積がリハビリの利用に影響を与えている可能性が示唆された。

  • 佐々木 啓, 山本 清龍
    原稿種別: 研究論文
    p. 26-31
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,東京都立の都市公園を対象とし,指定管理者制度の導入状況と公園の管理,運営の実態を明らかにすること,公園管理における指定管理者制度の有効活用と課題について考察することを目的とした。82 公園のうち9 割以上が同制度を適用する中,防災公園等では特命選定していたことから,都は制度を柔軟に運用していると考えられた。また,公園の約3 割を管理する営利法人は管理事務所や売店がない比較的不利な条件の公園を管理していたが,ホームページによって最新の自然状況を発信するなど積極的に運営していた。

  • 川口 将武, 加我 宏之, 赤澤 宏樹
    原稿種別: 研究論文
    p. 32-37
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,高島市マキノ地域のメタセコイア並木における協働型管理の変遷と効果を把握し,並木が多様な効果を発現するための知見を得ることを目的とした。結果として,整備期には,防風と景観形成機能を果たす存在効果が確立された。注目期には,メタセコイア並木に関わる主体群が,それぞれ観光といった利用効果を発現させていた。シンボル期には,南北のゾーンをまたいだ産・官・民からなる団体が設立され,協働型管理を通じてコミュニティ形成,賑わい創出や教育・文化交流といった媒体効果が発現した。これには,賑わい創出の収益を協働型管理に還元し,メタセコイア並木の存在効果や利用効果を更に発展させるしくみが影響していた。

  • 佐々木 章晴
    原稿種別: 研究論文
    p. 38-43
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    閉鎖水域や半閉鎖水域では,窒素およびリンの流入による富栄養化が課題となっている。 これらの水域における窒素動態は,土地利用や土性,土壌種によって異なることが指摘されている。そこで本研究では,流域が火山性土壌であり,酪農開発によって草地化された北海道東部の野付湾において,陸域から水域への窒素動態の解明を試みた。草地化によって人為的窒素投入が発生した。また,そのことにより草地の硝酸態窒素濃度は上昇し,草地から流出する土壌水の硝酸態窒素濃度も上昇した。一方,草地と河川の間に存在する河畔林土壌は,草地から流出する硝酸態窒素濃度を低下させる傾向が見られた。これらのことから,草地と河川の間にある河畔林や原野に土壌水が通過すると,樹木やササなどによって硝酸態窒素が吸収,あるいは脱窒される可能性がある。その結果,土壌水よりも河川水の硝酸態窒素濃度は低くなる可能性が考えられた。

  • 辰己 賢一
    原稿種別: 研究論文
    p. 44-50
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    作物の草高を正確に推定することは、精密農業のために不可欠である。しかし,無人航空機(UAV)から取得したマルチスペクトル反射率データを用いて,トマトの草高を個体レベルで推定した研究はほとんどない.本研究では、野外圃場での耕起および不耕起条件下で、UAV から取得した反射率データを用いて得られるトマトの植物レベルの草高を推定するため,合計14 の植生指標を比較した。その結果,耕起下ではIPVI,TVI,不耕起下ではGNDVI, WDVI が草高推定に最も優れた植生指数であることがわかった.一方,不耕起栽培ではいくつかの植生指数を除くすべての植生指数で,雑草や背景に存在する土壌の影響を受け,草高推定精度が低下することが明らかになった.

  • 村上 健太郎
    原稿種別: 研究論文
    p. 51-56
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    大阪市に移入・定着した国内外来種モエジマシダ(Pteris vittata)群落について立地環境特性や構成種を明らかにし,その取扱いについて考察した。本種が生育していた石積み擁壁を調査区として,対照区(モエジマシダがない擁壁)と比較したところ,外来種の相対優占度は調査区のほうが高い傾向が見られた(Wilcoxon test p=0.009)。しかし,対照区においても優占種は荒地植物であるため,本種の定着の影響は限定的と推定される。現時点では,本種を除去する必要はなく,土壌汚染の環境指標植物として活用していくべきであると判断された。

  • 鈴木 藍, 五十嵐 愛美, 高橋 岩仁, 佐藤 克己, 森田 弘昭
    原稿種別: 研究論文
    p. 57-61
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    下水処理場は自然流下方式で下水を集水するために海岸付近に建設されることが多い。一方で昨今の気候変動により強く大きい台風が頻発するようになり海岸付近の処理場は海水による冠水が懸念されている。さらに,地震により流入管渠の破損が生じた場合には連続的な海水の流入が危惧される。高濃度塩分は,活性汚泥の処理機能を低下させることが報告されており高濃度塩分による処理機能への影響や対策を検討することが求められている。著者らは,塩分による馴致を行った活性汚泥と馴致を行わなかった活性汚泥の処理機能に関する実験的な検討を行い,少なくとも塩分濃度2.0%までは馴致により有機物の除去機能が確保されることを確認した。

  • 松本 安生, 刑部 真弘
    原稿種別: 研究論文
    p. 62-67
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    要旨:本研究では,人々の省エネルギー行動を促すための一つの手法として,グループフィードバックに着目し,省エネルギー行動及びその規定因への影響と電力消費量への削減効果について検証を行った。横浜市内にある公社賃貸住宅棟に居住する全74 世帯を介入群(36 世帯)と対照群(38 世帯)に分け,介入群にのみ週1 回,4 週間のグループフィードバックを行ったところ,介入群のみで省エネルギー行動の規定因の一つである記述規範の評価が事後に有意に高まることが確認された。ただし,省エネルギー行動については事後に有意な差はみられなかった。一方,週電力消費量は介入から介入後までの6 週間平均で1.59%の削減効果がみられた。

  • 重 浩一郎, 坂巻 隆史, 西村 修
    原稿種別: 研究論文
    p. 68-74
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    国が毎年実施する地球温暖化対策の推進に関する法律施行状況調査結果を活用して地域の脱炭素に向けた現状と課題について岩手県内市町村を事例に分析を行い,条例や計画の策定状況や内容,企業や他自治体との連携の現状や課題,今後の自治体の対策の課題意識と対応の方向性など有益な知見を得ることができた。施行状況調査結果は,現在は一部のみが公開されているが,今後は全ての調査内容が公開されることで環境政策の進展が期待される。

  • 三坂 育正, 奥津 ノンナパット, 山口 竜, 石丸 泰
    原稿種別: 研究論文
    p. 75-80
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    個人でできる熱中症対策として日傘に着目し,日傘による熱ストレス低減効果を明らかにすることを目的として,人工気象室ならびに実環境下における温熱環境や人体生理反応に関する被験者実験を行った。 帽子を着用した場合との比較として実施した実験結果から,人工気象室実験では日傘による発汗量低減や皮膚温度上昇抑制の効果が確認できた。一方で,実環境下ではこれらに顕著な差は見られなかったが,人体熱収支解析の結果から,日傘使用時の放射環境改善に伴う放射受熱の大幅な低減による蓄熱量の低減効果を確認できた。実験環境により,風や日射遮蔽状況の違いによる差は見られたが,日傘は帽子のみと比較して暑熱環境下の歩行時における熱ストレス低減に有効であると言える。

  • 長澤 康弘, 錦澤 滋雄
    原稿種別: 研究論文
    p. 81-86
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,再生可能エネルギーに関する条例における事前協議の傾向と機能について,仮説をもとに検討した。2015 年から本文に事前協議の記載がある再生可能エネルギーに関する条例がみられるようになり増加傾向にあり,これらにおいては,必ず説明会のあり方に関する記載もなされていたが,開催時期や事前協議時の提出書類等は自治体により異なっていた。事例分析を行った群馬県前橋市では,審議対象の事業数は年々増加し,要再審議となる事業申請もみられる年もあったが,翌年にはみられなくなった。審議会では,主に地域における環境面の課題対応についての審議・是正が行われ,事業者の適格性に関し問題がある場合は要再審議となっていた。事前協議には,これらの議論・審査を行うための基礎を構築する機能があったが,適切な説明会の実施に関しては課題があり,初期段階での累積的影響も視野に入れたコミュニケーションの場が望まれる。

  • 五十嵐 和樹, 栗島 英明, 菊池 康紀
    原稿種別: 研究論文
    p. 87-92
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    脱炭素社会実現のためには再生可能エネルギーの導入が必要不可欠であるが,離島地域では出力制御が行われている。本研究では,余剰再生可能エネルギーを電気自動車に蓄電・利用するVehicleto-Grid システムを2040 年の種子島に導入した場合のCO2 排出量の変化などを評価した。その結果,バスのみをEV に代替した場合,年間火力発電量は約840MWh 減少し,CO2 排出量は1.1%削減された。一方で自動車の40%以上がEVに置き換わるとCO2削減率は低下し, 十分な削減効果が得られないことが示された。 また, 再生可能エネルギー導入量を増やした場合,より高いCO2 削減効果を得られるが,出力制御量が増加する結果となった。

  • 小川 元無
    原稿種別: 研究論文
    p. 93-98
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    省エネ法では事業者の省エネ努力を評価する指標として,エネルギー原単位を採用しているが,一般的に原単位は省エネ努力以外にも生産活動量の影響を受けることが知られている。そこで,本研究では,省エネ法の対象となる事業者8,774 社のデータを用いて,生産活動量の影響を除くために,正規化された原単位を推計し,省エネ法における事業者の原単位評価がどのように変化するか検証した。その結果,努力目標を達成した事業者の約11%が目標未達成へと変化した。一方,努力目標を達成していない事業者の約4%が達成に転じた。現行の原単位の算出方法では,一部の事業者の省エネ活動が,必ずしも適切に評価されていない可能性が示唆された。

  • 熊倉 早苗, 柴田 昌三
    原稿種別: 研究論文
    p. 99-104
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,英国の19 世紀後半から現在にかけての日本庭園の現在に作庭されるまでの変遷を解明するために,抽出した庭園に関する情報収集について解析した。特にEngland に対象を絞り,4 資料からの文献調査とwebsite 調査を行い総合的な庭園リストを作成した。抽出された41 庭園を, 草創期1850 年~1949 年と発展期1950 年以降の2 つのカテゴリーに分類した。その結果,英国の日本庭園の形式は,草創期には「回遊式庭園」が,発展期には「枯山水庭園」が,特徴となることが明らかになった。英国の日本庭園は,庭園が作庭された時期により形式が異なり,歴史的背景の影響を受けていることが示唆された。

  • 浜島 直子
    原稿種別: 研究論文
    p. 105-111
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    本稿では,政策形成における環境教育の意義に照らした効果的な施策展開に結び付けることを目的とし,地球温暖化に関する教育による学習の時期や内容と意識や政策受容度との関係をアンケート調査に基づき分析した。分析に当たっては,ランダムフォレストを活用して重要度の大きい説明変数を抽出した上で個別に統計解析した。 結果,(1)学習記憶がある方が無いより対策の必要性認識が高くなること,(2)大学期の学習が政策受容度に影響する可能性があること,(3)印象に残る学習内容は,時期を通じ,影響に関するものや体験を通じたものであること,が得られた。 今後の研究の展開として,本稿で確認された傾向が因果関係であるかの解析等が考えられる。

  • 大橋 唯太
    原稿種別: 研究論文
    p. 112-117
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    機械学習による雲海予報の実証実験をおこなった。機械学習には勾配ブースティング(lightGBM)を採用し,2018~2021 年の広島県三次盆地の雲海シーズンに対して予報した。誰でもWEB から入手できる気象庁アメダスの前日21 時までに観測された気象データから予報できる点が,本研究の大きな利点である。SHAP による特徴量重要度分析からは,前日18 時から21 時までの地上の気温低下量が翌朝の雲海予報に最も影響力が大きく,また地上だけでなく周辺山地で観測された気象データを含めたほうが予報精度も向上するとわかった。雲海の発生・非発生すべての適中率は4年平均で76.7%であったが,確率予報としても表現も付記することで利用者自ら意思決定できる工夫も加えた。

  • 小林 昭裕
    原稿種別: 研究論文
    p. 118-123
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,登山者および遭難発生地点である登山道に関する既往研究における論点を整理し,今後の課題について考察した。山岳遭難における当事者毎に担う責任の範囲について,登山者の責務として回避能力と困難度のバランスを制御する仕組み,管理者の責務として制御の点から,登山者への支援・規制を相補的に捉える必要がある。遭難態様によって登山道の施設・サービスの関与が異なり,山域毎の登山道の自然立地条件が多様なことから,山域毎に遭難頻度や分布に応じた登山道の類型区分,区分された登山道毎に対応する施設・サービスの設定を行い,登山者の登山計画段階,行動段階におけるリスク軽減やリスク回避に寄与する仕組みが求められる。

  • ~台湾をターゲット層とした誘客の成功事例からの検証~
    島宗 俊郎, 伊藤 雅一
    原稿種別: 研究論文
    p. 124-129
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    本研究の目的は,台湾をターゲット層として誘客に成功した観光地域づくり法人形成・確立計画(以下「DMO 形成・確立計画」という)を検証し,DMO による海外プロモーション活動の展開とその特徴を明らかにすることにある。このため,台湾をターゲット層とするDMO 形成・確立計画を対象に,海外プロモーション活動と延べ宿泊者数(延べ外国人宿泊者数)との関係性から,誘客に成功したDMO を抽出したうえで,海外プロモーションに関する記述内容の共起ネットワーク分析を行った。その結果,DMO による海外プロモーション活動としては,「海外への情報発信」と「旅行会社へのプロモーション」が中心であり,これらの活動を補完する形で「事業の積極的なセールス」と「観光のPR」が行われていることを明らかにした。 キーワード:

  • 横関 隆登
    原稿種別: 研究論文
    p. 130-137
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    本研究は,「国立公園満喫プロジェクト」との関連した観光ガイドブックを対象に,国立公園制度に位置付けられた文化景観という概念の特徴を明らかにした。対象とした国立公園は,「国立公園満喫プロジェクト」を推進している8 箇所である。対象とした観光ガイドブックは,合計73 点の文化資源を報じていた。これらの文化資源が国立公園制度における文化景観として読み替えられたとき,文化景観の内訳は次のとおりに認識された。宗教景観は25 点で32.1%を占め,集落景観は5点で6.4%を占め,産業景観は8点で10.3%を占め,そしてその他の景観要素は40 点で51.3%を占めている。

  • ―「雨を飲む」という非日常体験を通して
    近藤 晶, 三寺 潤, 笠井 利浩
    原稿種別: 研究論文
    p. 138-143
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    2015 年9 月の国連サミットで採択されたSDGs には水に関する目標が掲げられている.しかしながら日本国内では雨水が重要な資源として認識されていないのが実情である.このことから「雨を飲む」という非日常体験を伴うあまみずドリンクを雨水に対する意識変容ツールとして新たに開発し,雨水に対する意識変容にどの程度寄与するのか調査を行った.調査の結果,あまみずドリンクを飲用した約7 割の被験者に意識変容の傾向が見られ,特に20 代以下の若年層が意識変容の傾向が強いことなどが明らかとなった.今後は本研究で明らかとなった成果を元にさらに雨水に対する意識変容を高めるために必要な要素を明らかにし,より幅広い年齢層に対応した環境教育教材として効果的な教材を開発していきたい.

  • -中部山岳国立公園北アルプストレイルプログラム(仮)を事例として-
    安原 有紗, 愛甲 哲也
    原稿種別: 研究論文
    p. 144-149
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    中部山岳国立公園では,2021 年より「北アルプストレイルプログラム(仮)」を試行実施している。本研究では,この事例をもとに,国立公園における登山道維持のための費用負担に対する利用者意識について,利用者が自発的に発した意見に基づき,利用者負担の制度の改善点となるポイントは何かを把握するため,利用者アンケートに寄せられた自由記述データを用いて,テキストマイニング分析を行った。その結果,取り組み全体に対するプラスの評価が確認されたほか,登山道維持の課題やプログラムに関する意見を9つのグループに分類することができた。また,現状の課題をどのくらい認識しているかにより,出現する語が異なることが明らかとなった。

  • 楊 若琛, 劉 書昊, 趙 建曄, 武田 史朗, 章 俊華
    原稿種別: 研究論文
    p. 150-155
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では、世界遺産の首里城を例として、Web スクレイピングによる日本語、中国語及び英語の旅行口コミを収集し、テキストマイニングを通して、国内外の観光客の首里城に対する認識、観光動機と着目点を明らかにした。その結果、観光客は日中文化を表す首里城に高い満足度を持っていることが分かった。しかし、数年間続けている修復工事による国内観光客は消極的な気持ちを抱いていた。日本人が首里城のスポットをよく知っており、観光方法の選択、観光時期と認識も多様であった。中華圏の人は建築物の配置や文物などに興味を持ち、観光インフラの整備状況を重視していた。英語圏の人は主観的な感想もったり、高い場所から景色を見たりする傾向が強い。

  • 岡田 祐成, 畔柳 昭雄, 菅原 遼
    原稿種別: 研究論文
    p. 156-160
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,離島来訪の経験者によるSNS のTwitter への投稿内容を,テキストマイニング分析を用いることで,離島の魅力要因や来訪者が抱く心象風景を捉えた。対象を指定外離島として分析した結果,①来訪者は離島特有の非日常性に対し魅力を感じ,海辺の眺望性や開放性を楽しむとことで得られる精神的満足感等を享受している。②架橋離島は,渡海橋の整備により来島が至便になり身近な行楽場所として捉えている。③離島(未架橋離島)は,島に行くための船に乗ることや観光による心象風景が想起されており,離島としての特性が感じ取られている。

  • 渡邊 美幸, 眞瀬 寛人, 中澤 公伯
    原稿種別: 研究論文
    p. 161-166
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    歴史的建造物は,地域の歴史的事象や文化を継承し,文化創造の核となる大きな可能性を有していることから,地域資源の一つとして各地で重要視されている。本研究では,その中でも部位によって変化の程度が顕著に異なる近代化遺産に着目した。旧理化学研究所板橋分所を対象に,複数年代のBIM 再現モデルを作成することで,歴史的事象との関わりの観点からBIM 再現モデルの変化を分析し,BIM の新しい構築手法に資することを目指した。その結果,BIM 再現モデル上において,躯体の変化と比較して特殊設備,設備,家具の変化が顕著に表れているとことが確認され,歴史的事象が反映している事が判明した。

  • 坂部 創一, 山崎 秀夫
    原稿種別: 研究論文
    p. 167-172
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    本研究の仮説の「ネット依存症傾向と新型うつ傾向,および生活ストレスが高い学生ほど,デジタル認知症傾向が悪化する」と,「レジリエンスと共同運動愛好度およびQOL が高い学生ほど,ネット依存症傾向や新型うつ傾向およびデジタル認知症傾向が抑制される」は,大学生を対象にした縦断調査に基づく共分散構造分析の手法でほぼ検証された。また,これら3 種類の傾向の連鎖的な悪影響に対する予防策として,特にレジリエンスの向上と共同運動愛好度の重要性が示唆された。

  • 永野 亜紀
    原稿種別: 研究論文
    p. 173-178
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    近年,ファッション産業では地球環境問題や社会問題への対応からサステナブル・ファッションへの関心が高まっている。本研究は日本のデニム産業が欧米のハイブランドに提供する環境バリュー・プロポジションの醸成要因について分析することを目的とする。分析方法は三備地域の企業を対象としたインタビュー調査に基づく事例分析をおこない,環境基本計画の重点分野を分析枠組みとした。分析結果から分析対象企業の環境価値は重点分野の59%をカバーすること,環境価値の醸成には土地倫理が貢献していることを見出した。また,環境価値に対するバリュープロポジションは企業戦略のみならず地域戦略に成り得ることを示した。

  • 山崎 慶太, 横田 樹広, 豊田 知世, 吉田 昌幸, 宮崎 賢一
    原稿種別: 研究論文
    p. 179-184
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    「木の駅」活動と地域通貨事業によるアウトプット(進渉度、OP)を整理し、アウトカム(社会や人々の意識変化効果、OC)として環境・社会価値構造をモデル化して、2地区で比較する。まず、資源と経済のフロー図を作成し、OP を整理した。次にパス分析により、短期OC「個人の効果」、「地域環境の効果」、「地域通貨の効果」から産み出される長期OC「地域社会への効果」への2地区での共通なモデルを、「木の駅」メンバ、地域通貨取扱店舗それぞれについてのアンケート調査から作成し、比較した。「木の駅」メンバにおける長期OC への地域通貨の影響は、地域区分に応じて異なることが示唆された。

  • 奄美大島の事例
    藍場 将司, 原田 一宏
    原稿種別: 研究論文
    p. 185-190
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    地域資源の保全に向けた取り組みについて、奄美大島で生産されている大島紬、およびその染料であるシャリンバイを事例に考察を行った。紬は1980 年代まで盛んに生産されたものの、和装需要の低迷や産地を統括する主体の欠如から生産量が低下していることが明らかになった。シャリンバイの植林についても、異なる主体が別々に行うことで成果が上がっていないことが明示された。近年の生産量減少に伴い、紬事業者や自治体関係者らが協議会を設置し、担い手の育成を実施している。協議会の設置によって担い手の育成に向けた取り組みを実施しているが成果はあまり出ていない。また紬生地の活用については合意が取れておらず、職人の要望を共有する枠組みが必要であると考察された。

  • 上甫木 昭春, 角野 幸博, 門上 保雄, 上田 萌子
    原稿種別: 研究論文
    p. 191-196
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,兵庫県丹波地域を対象として,地域の活性化に関わる地域活動の実態とそれに影響する要因をアンケート調査などから探った。地域活動への参加状況の内,生活環境に関わる「安心安全環境の創出」「近隣環境の保全と改善」については小規模集落の進行程度とは関係なく,かつ最も活発な地域活動であることが分かった。その他の地域活動の活発化には,集落の小規模化の進行程度といった潜在的な課題に加え,地元住民と移住者との相互交流が寄与することが分かった。今後の地域活性化に関わる「新たな生業の創出」などを展開していくためには,地元住民と移住者との相互交流を活発化することが有効である。

  • 大学生を対象に
    杉田 真緒, 甲斐田 直子
    原稿種別: 研究論文
    p. 197-202
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,研究成果が乏しいと指摘されている「環境問題に関心を持つに至った契機(きっかけ)」に着目し,現在の環境観・環境配慮行動との関係性について,居住環境や自然体験,価値観などを考慮して検証した。大学生を対象とした質問紙調査データを用いた共分散構造分析の結果,自然体験や自然・環境の喪失実感をきっかけに環境問題に意識し始めると環境問題に対してより関心を持ち,間接的に環境配慮行動を促進する可能性が示唆された。また,きっかけの時期の居住環境において自然が豊かであることが,現在の環境観に関係していることが明らかとなった。これらより,自然との触れ合いが環境問題に関心を抱くきっかけとして重要であることが示された。

  • 東近江市「近江匠人」認証制度を事例として
    金 再奎, 岩川 貴志, 清水 泰行, 佐子 都, 山口 美知子, 上田洋平
    原稿種別: 研究論文
    p. 203-208
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー
    滋賀県東近江市の「近江匠人」認証制度を取り上げ,設計・運用の段階での課題とその対応,評価の仕組み,運用の結果および改善計画を整理することで,持続可能な地域社会の実現を支援する仕組みを実装する上で重要な要素や課題を明らかにした。地域レベルでは,事業活動と地域の持続可能性との関係性の明確な理解を促すことが重要な要素であり,地域独自の持続可能な将来社会像を具体的に描き,その実現への貢献性を認証基準にすることを提案した。事業活動の社会・経済・環境の多側面での地域貢献性を評価し, 21 の地元事業者(申請者は39)を認証した。持続可能な地域社会という理念の共有化の促進,地域貢献性をより定量的に評価する手法の検討が今後の課題である。
報告
  • 福田 昌代, 秋田 典子
    原稿種別: 報告
    p. 209-214
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    原発事故による避難指示区域からの避難について,浪江町を対象に,どのような地域に住民が避難先してきたのかを明らかにした。浪江町は,原発事故直後に急な避難が求められ,全域避難指示区域となった自治体であり,避難指示区域内では県内避難率,居住率がともに低かった。また,原発事故前からの生活圏や避難元の自治体にアクセスしやすい自治体に住民が多く避難していた。居住制限が発令されていない、比較的避難元に近い自治体に避難者が集まっており、東日本大震災の津波被災地の住民移動と同様の傾向がみられた。

  • 黒田 貴綱, 笹田 勝寛
    原稿種別: 報告
    p. 215-220
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,湿地に生育する希少植物のミズチドリ(Platanthera hologlottis)を対象種として,小規模な湿地における生育状況と生育立地の特性について,主に湿地を維持するための主要な環境要因である水分状態との関係から把握することを目的とした。対象地は丘陵地や山間地で一般的に見られる小規模な湿地と位置付けられ,対象地以外で未だ生育報告がなされていない湿地の存在が示唆された。水分状態の結果及びミズチドリの生育状況調査による生育範囲から,生育期間を通じて一定の水分が供給され,湿地が湿潤状態に保たれることがミズチドリの生育環境として適していることが推察された。

  • 上河原 献二, 中井 克樹
    原稿種別: 報告
    p. 221-226
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    アジア原産のツマアカスズメバチは,2004 年にフランスへの侵入が初確認され,イギリス本土では2016 年に初報告された。イギリス政府はフランスの状況を学習して事前準備を進め,2011 年にはリスク評価を,2012 年には対応計画を発表した。計画に基づいて一般からの情報提供システムを整備するとともに,2014 年に政府機関担当職員をフランスに派遣して巣の除去作業の訓練を行っていた。2022 4 月末までに12 の巣を含め22 件を確認し巣は全て除去され,越冬した巣は確認されていない。こうした政府の対応は,養蜂家たちの組織的警戒活動及び一般からの通報に支えられており,国家単位での事前準備に基づく早期対応成功事例として注目される。

  • 長崎県五島市を事例に
    竹内 彩乃, 小野澤 良
    原稿種別: 報告
    p. 227-231
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    再エネ海域利用法が2012 年に施行され,洋上風力発電事業の検討が全国的に進められている。しかし,有望な区域に指定される前の事前調整に関するルールがなく,現場では混乱が生じている。この課題に対応するためには,公的機関が関与し,ある程度フォーマルな形で参加の機会を設け,事前調整を行うことが求められる。本研究では,五島市を事例に,環境省が実施したゾーニング事業と関連する取り組みを整理することで,効果的な事前調整について考察することを目的とした。対象とした五島市で特徴的だったのは,分野別に多様な協議会を設立し,協働の取り組みを小規模なものから進めていた点であった。それをサポートする市職員や専門知識を持った企業や専門家,地元のキーパーソンの役割が重要であった。

  • -景観協定における太陽光発電設備の取り扱いを通して ―
    児玉 敬武
    原稿種別: 報告
    p. 232-237
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    「太陽光パネル設置が実質ゼロ円」という戸建住宅のビジネスモデルの発表があった。そこには,太陽光パネルが市民に容認されてきている社会的背景がある。本稿の目的は,屋根上の太陽光パネルは景観上問題ないという認識を景観法による景観協定を通して,検証することである。それは居住地区の景観に配慮を払う制度だからである。客観的な数値を把握するために,太陽光パネルの比較対象として,テレビアンテナを用いた。景観協定に規定された太陽光パネルの取り扱いに関して検証することで,住宅地域によっては,景観配慮を行う必要性を明らかにした。

  • -地区スケールの暑熱適応まちづくりに向けて-
    山崎 潤也, 増渕 正博, 飯塚 悟, 吉田 崇紘, 似内 遼一, 真鍋 陸太郎, 村山 顕人
    原稿種別: 報告
    p. 238-243
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    地区スケールの暑熱適応まちづくりを推進する上では対象地の温熱環境シミュレーションを実施することが効果的であり、他方で国土交通省主導の「Project PLATEAU」の事業では全国各都市の3D 都市モデルのオープンデータ化が進められている。本報では同モデルを活用し、都心市街地である名古屋市中区錦二丁目地区を対象とした夏季日中の温熱環境をCFD 解析した事例を報告する。解析の結果、街区の中央部分に位置する「会所」の空間は直達日射が遮られ、快適性が良好となる可能性が示された。また、解析モデルの構築に際してはPLATEAU のオープンデータの有用性および不足する情報を示し、解析プロセスの一般化に向けた情報整備状況の課題を指摘した。

  • 高橋 正弘
    原稿種別: 報告
    p. 244-249
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    本研究は,北海道の全自治体を対象としたアンケートの結果から,各自治体がヒグマをめぐる環境教育をどう実施しているかを把握することを目的としたものである。129 自治体から得た回答を分析した結果,ヒグマが生息している自治体においては,ヒグマ対策という政策課題を高く設定していた。しかしヒグマが生息していない自治体ではヒグマに関する政策課題の重要性は低かった。ヒグマと住民との関係が課題であると認識している自治体では,ヒグマに係る環境教育に取り組んでいる割合も高いが,環境教育の内容では未だ不十分さが見られることも明らかになった。

  • 3 年間の調査結果から
    本田 裕子
    原稿種別: 報告
    p. 250-255
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,2017 年度から兵庫県豊岡市で導入された「ふるさと教育」の実施状況とその教育効果について,2017 年度から2019 年度にかけて小学校5 年生を対象に3 年間調査した結果を報告する。結果,「コウノトリについて学ぶ」という意味での学習効果が得られたことがわかった。一方で,コウノトリ学習を「ふるさと教育」が企図する地域学習として深化させるには課題があることもわかった。今後コウノトリ学習をESD や地域学習として深化させていくには,「コウノトリとの共生」を探求することを前面に出すことが必要であり,そのためには学校や教員へのサポートがさらに必要といえる。

  • 糸井 風音, 甲斐田 直子, 岩本 浩二, Azrina Sobian, Norhayati Abdullah, 水野谷 剛
    原稿種別: 報告
    p. 256-261
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    本調査は,日本とマレーシアの大学生を対象に,路上ごみポイ捨ての発生理由と改善方策に関する認識の比較分析を行い,両国のポイ捨て認識に対する共通点・相違点や特徴を明らかにすることを目的とした。自由記述回答データを用いたテキストマイニングの結果,ポイ捨て発生理由は,両国ともにごみ箱の不足に対する認識が高いことが認められた。また,日本では実践活動により路上ごみのない環境を保つこと,マレーシアでは教育により一般市民の意識向上がそれぞれポイ捨て防止に重要な役割を果たすと認識していることが示唆された。考察では以上の分析結果により,ポイ捨ての発生と改善に対する認識が社会文化的差異に関連している可能性を検討した。

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