本研究では京都市高瀬川五条通から七条通の左岸を対象とし,河岸の占有空間と周辺土地利用の関係を明らかにすることを目的とする。その結果,現在みられる河岸占有は,河岸が土のまま長期間維持された結果であることが明らかになった。その構成は,①実生から育ったとみられる長年残されてきた高木,②祠・番外橋などの周辺住民によるとみられる設置物や果樹などの植栽された中木,③周辺住民によるとみられる植木鉢などの仮設物,さらに④宿泊・飲食施設などによるデッキや枯山水風の庭などの修景施設の4 種が組み合わさったものであることがわかった。