抄録
持続可能な開発目標(SDGs)は,国内の自治体で行政運営のキーワードとして認識され,組織の最上位計画である総合計画にSDGsを反映した自治体も数多く見られる.一方で, 具体的な活用方法が示されていないSDGsを,総合計画に反映する方法は,いかにして考案されたのだろうか.本研究では,北海道下川町を事例として,当時の関係者への半構造化インタビューを実施し,政府学習の枠組みを用いて分析した.その結果,SDGsに関する理論知を町職員が主体的に獲得し,自身の経験知と結びつけることで,総合計画への具体的な反映方法を考案していたことが明らかになった.