抄録
地球と社会の限界を考慮して,安全で公正な活動空間 (SJOS) 内で持続可能な社会を実現するには,ローカルレベルで SJOS のパフォーマンスを評価することが重要である。本研究では,SJOSのパフォーマンスを評価するための都道府県スケールの指標データベースを構築し,グローバルの閾値に基づいてプラネタリーバウンダリーの超過とソーシャルバウンダリーの不足の評価の試行を行なった。この結果,CO2排出量とエコロジカル・フットプリントが超過しつつ,ほぼすべての都道府県で社会的基盤が整備されている傾向が見られた。今回の分析を通じた今後の研究課題として,環境指標のデータのギャップの解消とSJOS指標のローカライズの必要性を示した。