日本外科感染症学会雑誌
Online ISSN : 2434-0103
Print ISSN : 1349-5755
総説
J-SSCG2020の概要(作成する意義も含めて)
小倉 裕司江木 盛時
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2022 年 18 巻 3-4 号 p. 333-338

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抄録

日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG)の改訂に際し,一般臨床家だけでなく多職種医療者にも理解しやすく,かつ質の高いガイドラインとすることをめざした。J-SSCG2020では新たに4領域(Patient- and Family-Centered Care,Sepsis Treatment System,神経集中治療,ストレス潰瘍)を加え,22領域118の重要臨床課題(CQ)を抽出した。委員25名を中心に,多職種(看護師,理学療法士,臨床工学技士,薬剤師)・患者経験者も含めたワーキンググループメンバー,両学会の公募によるシステマティックレビューメンバーによる総勢226名の参加・協力を得た。結果,118CQに対する回答として,79個のGRADEによる推奨,5個のGPS(Good Practice Statement),18個のエキスパートコンセンサス,27個のBQ(Background Question)の解説,および敗血症の定義と診断を示した。CQごとに診療フローなど時間軸に沿った視覚的情報も取り入れた。J-SSCG2020は,多職種がかかわる国内外の敗血症診療の現場において,ベッドサイドで役立つガイドラインとして広く活用されることが期待される。

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© 2022, 一般社団法人 日本外科感染症学会
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