抄録
中山間地域において,光環境がイネの収量に与える影響を調査することは,持続可能な農業を確立する上で重要である.本研究では,2017~2019年の3シーズンにわたり,新潟県十日町市にある異なる光環境を有する2圃場において,気温,光合成光量子束密度(PPFD),収量構成要素,収量の調査を実施した.その結果,低光量の圃場は,高光量の圃場と比較し,生育期間中の積算PPFDは80%程度となったが,収量に有意な差は得られなかった.このことは,低光量条件下での穂密度の減少が,1穂籾数および登熟率の増加によって相殺されたことが原因であることが示唆された.本研究の結果は,複雑地形下での収量の決定要因として,ソースとシンクのバランスが重要であることを示している.