抄録
本研究では,全国442の環境NPOの調査データを用い,人材・財源確保の課題解決を切り口に,団体の特徴と発展に必要な事項を団体側と社会側の両面から検討した。多くの団体が人材不足や財政脆弱性に直面し,小規模や高齢リーダーの団体では後継者問題が深刻であった。他方,順調な団体は予算規模が大きく,SDGs関連やネットワーク型活動を展開する傾向がみられた。回帰分析の結果,財政基盤や後継者の確保と制度整備や市民の自分事化はいずれも団体発展に必要とされるとともに,内部基盤と外部基盤を並行して強化・改善する重要性が示唆された。内部課題の重視は市民参加促進と必ずしも連動しないことから,両者を接続する仕組みが求められる。