抄録
北海道駒ケ岳の火山荒原において,登山道上およびその周辺の群落と立地環境の特性を調査した。登山道上では,登山道外と比べて裸地や侵食痕が広がり,維管束植物,蘚類,地衣類の植被は疎らで,維管束植物の種数も少なかった。地衣類の植被は登山道から離れるほど高く,蘚類は登山道脇で最も密であった。外来種や低地生雑草は登山道近傍に偏って分布し,一部の在来種は距離区間ごとに特徴的な出現を示した。以上より,登山道は火山荒原上の植物分布と群落構造を改変するが,その影響は距離とともに変化することが示唆された。登山道上での疎らな植被には,踏圧やそれに伴う地表面侵食の進行が関与している可能性がある。