抄録
福島県は2011年に地震と原発事故に見舞われた。川内村は原発事故の影響により住民は全村避難を実施した。2012年の「帰村宣言」以降13年が経過した現在も復興の途上にある。その中で高齢農家は,自給的栽培の農業から再起をかけて農業を続けている。本論文で取り上げるハウスブドウ栽培は,1戸の農家が自家消費と趣味のために始めたブドウ栽培が,村の高齢農家に広がりを見せ今では特産品になろうとしている。結果として自給的栽培は,①農業経営のための試験的栽培,②震災による経営困難時に一時的な自給的栽培,③農環境など経営資源の維持,資源管理の役割,④「生きがい」維持,農業への関心を失わないために取り組まれている。