試薬を用いて作製した模擬細孔溶液中に合成したC-S-H単味およびC-S-HとCa(OH)2を加えたものを試料とし、これを種々のCO2ガス濃度環境に曝露することで、炭酸化によるC-S-Hの分解性状に関して検討を行った。C-S-Hは炭酸化が進行しpHがほぼ平衡状態に至るまで低下してもその一部が残存した。また、炭酸化により低Ca型のC-S-Hが生成することが推察された。低Ca型も含めたC-S-Hは、CO2ガス濃度が低いほど残存量が多いと推察された。Ca(OH)2と共存する場合にはC-S-Hの分解が遅延されることを確認した。これはCa(OH)2に比べC-S-Hの炭酸化速度が遅いためと考えられる。