セメント・コンクリート論文集
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セメント化学
間隙質液相量の低減によるセメントの高機能化に関する研究 (第1報 低放射化セメントの特性とクリンカー形成機構について)
一坪 幸輝山下 弘樹田野崎 隆雄佐竹 紳也
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2009 年 63 巻 1 号 p. 55-61

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抄録

間隙質液相はC3AやC4AFを生成しセメントの品質(水和熱、流動性、化学抵抗性など)を低下させるが、一方でクリンカー塊を形成しC3Sの析出生成を飛躍的に加速させることで製造工程を安定化する役割がある。したがって、これを大幅に低減したセメントは製造されることは少なく、また、その特性も明らかでない。本研究では間隙質液相量を6%以下まで低減した高C2S系クリンカーを実機キルンで製造し、セメントの品質評価およびクリンカーの解析を実施した。その結果、間隙質液相量を低減した高C2S系クリンカーは特徴的な結晶の微細組織を有するが、そのセメントの品質は通常の高C2S系セメントとほぼ同等と確認された。

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© 一般社団法人セメント協会
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