セメント・コンクリート論文集
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セメント硬化体・モルタルの物性
材齢初期からの炭酸化がセメント硬化体の細孔構造および酸素拡散係数に与える影響に関する2、3の考察
李 春鶴半井 健一郎石井 祐輔横塚 清規
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2009 年 63 巻 1 号 p. 99-106

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抄録

本研究では、材齢初期からの乾燥中の炭酸化がセメント硬化体の細孔構造および酸素拡散係数に及ぼす影響に関して基礎的な研究を行った。供試体の水セメント比および材齢に着目し、材齢初期から乾燥環境に暴露したセメント硬化体について、炭酸化による中性化深さ、総細孔量、細孔径分布、細孔の比表面積、飽和度、酸素拡散係数の変化を計測することで、セメント硬化体の細孔構造や酸素拡散性状に及ぼす材齢初期からの炭酸化進行の影響について検討した。その結果、材齢初期から炭酸化が進行した場合、いずれも細孔構造は緻密化するものの、酸素拡散係数への影響は水セメント比によって異なり、水セメント比が30%、45%の場合では拡散係数が低下し、水セメント比が60%の場合では拡散係数が増加した。

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