2009 年 63 巻 1 号 p. 107-113
マスコンクリートのように高温履歴を受けるコンクリートの場合、セメントペーストの線膨張係数の時間変化によって、温度ひずみが収縮側に推移し、温度ひび割れリスクとなる可能性が指摘されている。本研究では、線膨張係数の相対湿度依存性に着目して、高含水率の人工軽量骨材による内部養生によって線膨張係数の時間変化を制御する手法について実験的検討を行った。その結果、含水させた人工軽量骨材を用いることで、線膨張係数が上昇する材齢を遅延させることが可能であった。しかしながら、線膨張係数が上昇する材齢を遅延させた場合でも、温度ひずみが低減できない場合があり、骨材の含水状態や量については今後更なる検討を要する。