2010 年 64 巻 1 号 p. 103-110
普通ポルトランドセメントを用いた水セメント比0.40、0.55の初期高温履歴を受けたセメント硬化体の比表面積の経時変化について検討を行った。吸着等温線、粉末X線回折/リートベルト解析の結果から、セメント硬化体の比表面積、C-S-H量およびC-S-HのCaO/SiO2モル比の同定を行い、比表面積との関係を評価し、併せて、合成C-S-Hとの比較を行った。その結果、初期高温履歴の影響により、長期的な比表面積の増進が停滞すること、C-S-Hの平均CaO/SiO2モル比が増大すること、セメント硬化体の比表面積とC-S-H量は、水セメント比、温度条件によらず一つの曲線で評価されることが明らかとなった。