セメント・コンクリート論文集
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セメント硬化体・モルタルの物性
若材齢時から炭酸化したセメント硬化体の細孔構造および酸素拡散係数に及ぼすCO2濃度の影響
上原 丈児李 春鶴半井 健一郎石井 祐
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2010 年 64 巻 1 号 p. 111-118

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抄録

炭酸化による細孔構造や物質移動抵抗性の変化に関する検討は、高CO2濃度の促進環境での研究事例が多い。本研究は、CO2濃度に着目し、実環境相当の低濃度環境での炭酸化よる変化を高濃度環境と比較分析した。水セメント比や高炉スラグ微粉末の有無が異なるセメント硬化体を用いて、実環境を模擬した低CO2濃度環境とCO2濃度が5%の促進環境にて若材齢から炭酸化させることで、細孔構造や酸素拡散係数に及ぼすCO2濃度の影響を検討した。その結果、異なるCO2濃度や炭酸化程度により、炭酸化生成物の総量・生成由来・結晶構造および水和進行に違いが生じ、細孔構造や酸素拡散係数に異なる影響を及ぼし得ることが明らかになった。

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