2010 年 64 巻 1 号 p. 196-202
著者らは、コンクリートの塩分浸透深さを調べる簡易な方法として、硝酸銀噴霧法とドリル削孔粉を用いたコンクリートの中性化深さ測定方法を組み合わせた方法を開発し、検討を行っている。本研究では、現場での作業性を考え、ドリル径を20mm、1回の削孔深さを10mmとした場合について新たに検討を行い、ドリル削孔粉を試料として用いた場合の最も確認しやすい変色境界は、コンクリート割裂面に硝酸銀を噴霧した場合の0.6倍程度となることが明らかとなった。また、簡易にコンクリート構造物の塩分浸透深さを測定できるため、構造物のモニタリングのための試験方法にも適用できると考えられる。